2023年4月8日(第3377回)

障害者権利委員会総括所見はなにを求めているか

静岡県立大学 名誉教授 石川 准

 2022年8月22日、23日に国連障害者権利委員会による日本の障害者権利条約の実施状況を審査するための「建設的対話」が国連欧州本部で実施されました。日本からは、各分野の障害者政策を所管する省庁から成る政府代表団が組織され、「建設的対話」に臨みました。障害者団体も「建設的対話」に当たって権利委員会へのプライベートブリーフィングで意見を述べるためにジュネーブに赴きました。私も、「独立した監視枠組み」の責任者の立場で同会議に出席しました。

 本講義では、障害者権利委員会による「対日審査」と、「対日審査」によりまとめられた「総括所見」の内容を紹介するとともに、総括所見によって浮き彫りになった日本の障害者施策の主要課題について説明し、日本が人の多様性を包摂する社会となるために何が必要なのかを受講者のみなさまとともに考える機会としたいと思います。