2024年10⽉26⽇(第3414回)
発達障害の子どもに伝わることば― 間違いの少ない理解のためにー
立命館大学 産業社会学部 教授 川﨑 聡大
昨今、我々の生活の中で「発達障害」という言葉を聞く機会が増えてきました。しかしながらSNSやマスメディアの中で消費される大量の情報は玉石混交であり、中には明らかにエビデンスの低い「トンでも理論」も少なくありません。誤った情報は偏見を生み、当事者や保護者を苦しめます。「親の育て方」や「十分な教育が受けられない」といった発達障害の直接的な原因ではありません。「発達障害は脳の障害」といっても大人の脳障害とは成り立ちが異なります。こういった発達障害にまつわる様々な誤解を整理し解き基本的な理解を踏まえたうえで、ことばやコミュニケーションの発達の観点からこどもに伝える言葉伝わる言葉を考えていきたいと思います。