2025年2⽉08⽇(第3419回)

激動の中で迎える⽇韓60年 〜〜国際情勢と2国間関係の歴史〜〜

毎⽇新聞 論説委員 / ⽴命館⼤学東アジア平和協⼒研究センター 客員研究員 澤⽥ 克⼰

 大統領が「上からのクーデター」を企てた45年ぶりの戒厳令で、韓国政治は大混乱に陥りました。日韓関係にも大きな影響が出ると懸念される中、両国は国交正常化から60年の節目となる2025年を迎えることになりました。今後の情勢が不透明であるからこそ、これまで両国がどんな関係を築いてきたかを振り返ってみたいと思います。
 60年間の変化で最も大きいのは、世界最貧国の一つだった韓国の経済成長によって対等な関係が実現したことです。国民同士の交流が進みましたが、一方で近年は歴史認識問題による外交関係の悪化が深刻化しました。
 こうした変化を考える際に大切なのは、世界に目を向けることです。日韓関係には、国際情勢が大きな影響を与えてきました。東西冷戦下では日米が西側陣営の「橋頭堡」である韓国を支えましたが、冷戦終結によって情勢は大きく変化します。そして歴史認識問題が日韓関係を揺るがし始めましたが、実はこの時期には、歴史認識の紛争化が世界各地で起きているのです。それは、なぜでしょうか。国際情勢を視野に入れて「60年」を振り返り、これからの日韓関係を考えていきたいと思います。

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