2025年3⽉08⽇(第3421回)

『価値あるものを活かす都市』:北欧、北米のクリエイティブ産業

立命館大学映像学部 教授 天野 圭二

 1990年代以降、クリエイティブ産業つまり「個人の創造性や技能、才能に由来し、また知的財産権の開発を通して富と雇用を創出しうる産業」の育成に力を入れる国々が増えてきました。映画やゲーム、音楽、ファッションやデザインなどを含むクリエイティブ産業は文化的な創造物を商品として扱うがゆえに、その地に根差した文化、歴史、伝統が活かされる領域でもあります。

 土地と産業の関係については経済学においても古くから議論がなされてきました。例えば産業集積論は、現代経済における産業構造を地域論の視点から多角的に論じる学問領域です。多くの企業や大学、その他の関係組織が競争または協力し、共通性や補完性によってつらなる産業集積をクラスターといいます。この回の土曜講座では、北米やヨーロッパのクリエイティブ産業クラスターを概観しながら、それをヒントに京都の文化的資源の活用について考えていきます。

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