2025年4⽉12⽇(第3423回)

アルゴリズミックな超後期近代(hyper late modernity)に生きる―SNSの承認からトランプ政権の誕生、戦争まで―

立命館大学文学部 教授 遠藤 英樹

 「デジタル革命」とは、どういう意味でしょう。「デジタル革命」とは、ただ単に、メディアの仕組みがデジタルテクノロジーを用いた仕組みに移行するというだけではありません。そうではなく、AIやSNSなどデジタルテクノロジーを軸に社会システムが大きく変容し、私たちの日常の暮らしや、政治、そして自己のあり方までも変え、再帰的にテクノロジーそれ自体も新たなものへと変わっていくことを意味しています。SNSによる承認欲求から、トランプ政権の誕生、戦争まで、私たちが生きる社会は「デジタル革命」のもとで大きく変容を遂げ始めているのです。私たちにいま求められているのは、私たちの暮らし、政治、感情等が緊密にデジタルテクノロジーの中で展開されるようになっていることを、ユートピアもディストピアもすべてひっくるめて、あざやかに描写し批判的に考察していける〈新たな人文学〉です。この講座では、このことを皆さんと目指してみたいと思います。

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