2026年8月22日(第3453回)
市民のイニシアティブで外交を実践する
新外交イニシアティブ(ND) 事務局長 巖谷 陽次郎
「力による平和」を標榜するトランプ政権の下で、アメリカが国際的なリスクとなり、信頼が揺らいでいる。各国がアメリカとの距離感を調整する中、日本は対米追従を継続し、防衛力の増強など「抑止力」の強化を進めている。特に東アジアで「台湾有事」が危険視されている中、高市政権は中国政府を挑発するような言動をし、軍事的衝突の危険性を高めている。
日本では、戦争を回避するためには抑止力を高めることのみが重要かのように語られ、実際に外交努力による緊張緩和はなおざりにされている。しかし安全保障には外交を欠かすことはできない。例えば日本と同じように地政学的に米中の狭間にあるASEAN各国の安全保障戦略を見渡すと、いかに米中のバランスを取り、リスクヘッジを重視しているかがわかる。
今回、日本が「平和国家」からどのように変質してきているかを振り返り、「抑止力」強化の内容や限界、危険性を検証する。その上で、市民からは距離があるとされる「外交」が具体的にどのようなものであるかを確認し、NGOである「新外交イニシアティブ(ND)」がこれまで実践してきた外交の実例を紹介する。