2026年9月26日(第3456回)
「伝統的街並み及び伝統構法木造建物におけるバリアフリー」
立命館大学理工学部 建築都市デザイン学科 講師 遠藤 直久
バリアフリーとは、「障害のある人や高齢者を始め、誰もが生活の中で感じる障壁(バリア)を取り除くこと」です。
近年、この整備は着実に進められていますが、実態と利用者の実感には依然として隔たりがあり、「バリアフリー・ユニバーサルデザイン化が進んでいる」と感じている人は半数に満たない状況です。観光需要が高まる中、日本の伝統的都市として誰もが安全に滞在し、文化や歴史を楽しめる環境が必要です。
しかし、伝統的都市には構造的な要因によるバリアが多く存在し、障害のある人の活動を困難にしています。一方で、これらは文化財保護や景観維持の観点から改修が難しく、改善には限界があります。
また、多くの人は障害のある人への適切な配慮や支援方法の十分な理解と知識を持っておらず、この人的要因も解決すべき重要な課題です。
そのため、現在進められているバリアフリー整備に加え、「バリアとは何か」をあらゆる視点から正しく理解し認識することが重要です。それにより景観や文化的価値を損なわない柔軟な発想が生まれるだけでなく、設備だけでは解決できない課題に対しても、人々の意識や行動による「人的バリアフリー」の実現が期待できます。
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