2026年10月3日

「文字は、私たちの見方をどう受け継いできたのか」―漢字から考える、世界の捉え方

立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所 客員研究員、T&Y日本語学校 校長、大阪府立大学 名誉教授 大形徹

 日本人は独自の文字を持つのでしょうか。漢字は中国から受けとったもの。平仮名は漢字の草書。「あ」は「安」。片仮名は漢字の部首。「イ」は「伊」のにんべん。ハングルのような独自の文字ではありません。独自の文字を持つ民族はわずかです。シュメールとアッカドは異なる言語体系ですが、アッカドはシュメールの楔形文字を借りました。日本と中国に似ています。漢字には知の体系が含まれており、それが我々の社会の基盤となっています。

 文字は文法と関係なく使えます。漢字だけでなくアルファベットもふつうに使っていますよね。パソコンをローマ字入力している人も多いでしょう。

 印鑑を一つも持っていない方はいないでしょう。印はメソポタミア起源で当初は粘土に押していました。中国に伝わり、一部分、粘土にして押していました。封泥です。紙が使用されるようになり、封泥に色をつけ、印を紙に転写するようになりました。

 この回では、漢字という文字文化を手がかりに、どのような見方が受け継がれてきたのか、そして未来に何を残していけるのかを考えます。

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