2026年11月7日(第3457回)
履歴書と勤務評定から見る 明代官僚の役人人生
立命館大学文学部 教授 井上 充幸
秦の始皇帝が中国全土を統一して以来、その巨大な版図を統治するために歴代の王朝は強固な官僚制度を構築し、整然と運用してきました。
今回取り上げる明の時代、とりわけその後半期の政界では、「北虜南倭」と呼ばれる外患をよそに上は皇帝から下は木っ端役人に至るまで、権謀術数の限りを尽くして敵対者を排除することに血道を上げていました。このような状況にもかかわらず、なぜ明という国家は200年以上にわたって曲がりなりにも存続することができたのでしょうか?その理由の一つは、長年にわたる運用実績を持つ成熟した強固な人事システムが、明朝の統治機構をしっかりと下支えしていたためだったのです。
今回のお話では、新発見の明の公文書の現物史料をもとに当時の官僚人事が粛々と進められていた様を紹介し、彼らの生き様を浮き彫りにしていきます。
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