2026年11月21日(第3458回)
罪と罰で見る 明代中国社会の人々
立命館大学社会システム研究所 客員研究員、 京都市立日吉ケ丘高等学校 常勤講師 豊嶋 順揮
裁判記録や法律には、犯罪者だけでなく、歴史の表舞台には現れにくい様々多くの人々の暮らしが刻まれています。
今回取り上げる十五世紀後半から十六世紀初頭の明代中国では、人や物の移動が盛んになり、故郷や決まった仕事を離れて生きる「無籍之徒」と呼ばれる人々が増えていました。彼らは、役所の仕事や物資の運搬、商取引を支える存在でもある一方で、ときに事件を起こすこともありました。社会が大きく変化するなかで、従来の制度だけでは人々を捉えきれなくなり、明朝も新たな法律や制度を整えていきました。
本講演では、いくつかの具体的な事件を手がかりに、人や物の動きが広がるなかで、社会と犯罪のあり方がどのように変化したのかをたどります。
さらに、新たな犯罪や社会問題に対応するため、既存の法典に規定を付け加え、整理し直していった過程にも目を向けます。こうした法整備は、後の中国だけでなく、東アジア各国の法制度にも影響を与えました。犯罪と刑罰を通して、明代中国の人々の暮らしを描くとともに、東アジアにおける法典の「近世」の始まりを考えます。
講座お申込み