Reportレポート・参加者の声

チャレンジふくしま塾 11月~2月の現地活動レポート

8月の現地活動では塾生全員が同じルートで被災地の現状を学びました。この活動は導入学習として位置づけられており,塾生らは被災地全体の課題の把握につとめました。そして秋以降は5つのテーマを設けて現地の課題をそれぞれが発見し解決方法を考える展開活動を行います。テーマごとにグループワークを行い,さらなる学習を深める現地活動を行いました。
テーマは「高齢者の健康増進」「地域魅力マップづくり」「自治体・NPO法人インターンシップ」「廃炉・処理水を考える」「児童・生徒学習支援」の5つです。
※ 「児童・生徒学習支援」グループの活動は2月下旬~3月中旬を予定していますので今回はそれ以外のグループの現地活動を報告します。


高齢者の健康増進グループ(以下,高齢者健康G)               

高齢者健康Gは11月2~3日,12~14日にかけて川内村等でノルディックウォーキングを体験しました。ノルディックウォーキングとは,専用ポールを使用して上下肢を十分に動かしながら歩く健康運動で,専用ポールを持つことでバランス感覚が整い,転倒予防効果が期待できます(特定非営利活動法人 日本ノルディックウォーキング協会ウェブサイトよりhttps://www.jnwa.org/about)。川内村等での地域の高齢者とのノルディックウォーキングの体験と高齢者との対話によって高齢者の健康増進のために必要なことなにかを考える機会になりました。
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地域魅力マップづくりグループ(以下,マップG)              

11月19~20日,12月17~18日にかけてマップGは大熊町の魅力マップづくりを行いました。大熊町の住民と連携して坂下ダムウォーキング企画に参加,そして大熊町内の視察を行いました。さらに住民に大熊町内の思い出の場所の写真を持参してもらって当時や今の思いをヒアリングするなどして大熊町の魅力をマップとして作成しています。大熊町の魅力マップは大熊町内外に設置予定です。

<参加学生の声>
「地域の方と一緒にウォーキングイベントに参加して、大熊のアットホームな雰囲気を味わうことが出来たのがよかったです。また、地元の方に加え移住者の方も参加している交流会では、大熊には活力のある人達が集まっているんだということを新たに知ることが出来ました。さらに、そこで新しいネットワークもできたことをとても嬉しく思います」
「趣味で農業をされている方にお話を聞いたり、町民の方のお家にお伺いしてゆっくりとお気持ちをお聞きする等、町民の方の生活にお邪魔し濃いものを見ることが出来た」
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自治体・NPO法人インターンシップグループ(以下,インターンG)

インターンGは11月19~20日にかけて浪江町の「十日市祭り」の運営ボランティアを行いました。会場内の環境整備,出店での接客,休憩コーナー(NPO法人コーヒータイム出店のおれんじカフェ)でそれぞれの運営のお手伝いをしました。地域の方との交流を通して,復興に向けた課題について考えることができました。
※ インターンGは3月下旬にも現地活動を予定しています。

<参加学生の声>
「1日コーヒータイムを担当した。コーヒーを飲みながら話す人たちの輪に入って様々なお話を聞いた。初めは震災とは関係なく、生活や趣味の話だったが、しばらくしてから震災の話をしてくれた。郡山と名古屋が姉妹都市であることを初めて知り、一年を超える避難所での生活について聞いた。昔の十日市の規模の大きさや賑やかさについても聞くことができ、十日市の歴史などについてももっと知りたいと思った。」
「朝からコーヒータイムに入って、地域の方と話し合って、今の浪江町には、交通が不便であり、バスも少ないし、スーパーも一個しかないから、暮らしがなかなか大変かなあっていう話しがでました。そして洋服屋もないです。福島県の復興に交通が大事ではないかと思います」
「地元の人と交流し、「つながり」を感じることができてよかった。今回のグループワークでは比較的年配の方と多くお話をしたので、若い人とも話をし、どのように復興するべきなのか考えてみたい。」
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廃炉・処理水を考えるグループ(以下,廃炉処理水G)

11月19~20日,2月1~4日にかけて廃炉処理水Gは福島第一原子力発電所の視察,東京電力廃炉資料館の見学を行いました。実際に事故を起こした原発の1号機~4号機,「処理水」のタンク群を見学しました。また,漁業者の方のお話や大熊町で被災された方の体験を聞き,改めて事故の大きさを感じるとともに,被害にあわれた方の思いの一端に触れることができました。「処理水」「トリチウム水」について深く学ぶとともに,「処理水」の海洋放出にまつわる「安心・安全」についてそれぞれが考えることができました。

<参加学生の声>
「許可無しでは簡単に訪れない福島第一原発を実際に行ってみるとっても貴重な経験ができたし、一生忘れられない出来事であった。1号機から4号機の近くまで行ったのにも、放射能の数値が高くなくて驚いた。保護服なども着てなかった。このようなことができた理由は何ですかと質問をしたら、ウクライナのチェルノブイリ原発の事故と違って、日本は除染作業に頑張って取り組んで福島を見捨てず、諦めなかったからであると答えてくれた時はすごく感動したし、福島県の復興に向けて私が興味を持ち、今回のチャレンジふくしま塾に参加して本当によかったと思った。」
「福島第一原子力発電所の見学がとてもいい経験になりました。特に、東京電力の廃炉資料館を一日目に行ったことでただただ見学するよりもより、なぜこれが起きたのかがより理解できた。印象に残ったのが、処理水を実際に見れたこと。現物を見て何が悪いのかなにがいいのか。普通の水とどう違うのか。ただただ勉強するよりも理解しやすかった。」
「福島第一原子力発電所の視察について、原発の仕組み、構造、当時の事故の要因などを、具体的な話をもとに理解できてよかった。廃炉、処理水など、メディアで頻繁に取り上げられるが、内容を理解できていないところを、説明から学ぶことができた。原発の中では、多くの人が、長い期間をかけて、廃炉作業を進めていることを理解するとともに、どのような作業が行われているか理解することが重要だと感じた。何よりも、原発の現場を見て、事故の原因や防げたはずの要因を学び、示していくことの重要性を理解した。また、処理水の安全性は理解したが、同時に、風評被害の対策の難しさを感じた。」
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番外編;双葉町「ダルマ市」見学・大熊町「里がえりもちつき大会」ボランティア

震災から11年,双葉町内で行われてこなかった「ダルマ市」が2023年1月7~8日にかけて双葉町内で開催されました。また1月9日には大熊町でおおくままちづくり公社が主催して「里がえりもちつき大会」が開催されました。塾生らは地域の方と交流しながらダルマ市を見学,もちつき大会では地域の方と一緒にもちつきの準備や運営の補助を行いました。

<参加学生の声>
「前回に来た時は人が少なかったけど、今回のだるま祭りを参加して、人も多いし、地域の復興が進んでいると感じました」
「もっとも印象に残っていることは、地元の方とお話をする機会にたくさん恵まれこれまでのふくしま塾の活動の中で、もっとも地元の方と多く、様々なお話をすることができました。それは、餅づくりの最中はもちろん、配布する際にもたくさんの方とお話をすることができました。お話のなかでは、震災当時の話から、地震に関連して最近の映画や土地のお話など、地元の方に直接聞くからこそ意味のあるお話が多かったように思います。」
「街がまた元気になることは何よりです。」

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