2022年5月28日(土)大阪いばらきキャンパス分林記念館において、「ささえる訓練(災害ボランティア現場の活動体験)」(サービスラーニングセンター主催)が開催されました。学部1回生から大学院生まで幅広く、20名が参加しました。

 午前10時からのガイダンスの後、まずは被災地NGO恊働センター代表の頼政良太さんに、足湯ボランティアについて講義していただきました。頼政さんはこれまで中越沖地震や東日本大震災など、15以上の国内災害救援活動に従事してこられました。
 足湯も気持ちいいですが、足湯をきっかけとして被災者が話せる場を設けることを重視されています。足湯を通じ被災者が話した内容を「つぶやきノート」として書き留めてきました。その数1万5千人以上、ノートに記録することで、被災者が困っていることや、必要なことが表面化します。特に、「食べていない、寝ていない、お風呂に入っていない」といったような緊急度の高いことについて、早急な対応を施すことができるのだそうです。

 さて、座学の後は実技です。お湯と水の配合、姿勢の取り方や触れ合い方、そして何といっても被災者が話をしやすい対応が必要です。足湯だけでなく手のひらのマッサージもおこない、初対面の被災者がリラックスできる雰囲気づくりを学びました。
 参加した学生はそれぞれ学部も違い、学年も様々です。はじめは緊張していましたが、足湯ボランティア体験を通じてそれぞれが仲良くなり、会場は笑い声に包まれるようになっていました。これも足湯効果でしょうか。


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 午後からは被災地の状況を学び、屋外作業を体験します。講師は特定非営利活動法人 災害救援レスキューアシスト代表理事の中島武志さんです。中島さんは11年間ボランティア活動に参加されているベテランのボランティアリーダーです。座学では、被災者の心情理解や現場で何がおこっているのか、各災害の特徴、基本的な道具の使い方などを話していただきました。現場で活躍してきた中島さんならではの体験談に学生は熱心に耳を傾け、時にはメモをとりながら真剣なまなざしで学んでいました。
 講義の後は、被災地で扱う道具を実際に扱っていきます。まず、よく使う道具の説明がありました。ショベルだけでも、用途によって使うものが違ったり、それぞれに名前がついていたりと初めて耳にすることばかりです。その後、土嚢の紐を締めることやドライバドリルの使用、くぎ打ちとくぎ抜き、土嚢を積んだ一輪車を実際に運んでみるといったことを体験しました。


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 最後に振り返りとして、今日の学びを通じて自分がどのように活用していくかということを考える時間が設けられました。発表では、「ボランティアに興味はあったが、きっかけがなかった。今日のプログラムを通じ、参加する勇気を得た」、「簡単なできることから始めたいと思う」などの感想が述べられました。
 それぞれが多くを学び、充実した一日となったようです。


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<参加者の声>
*市川侑奈さん(文・1回生)
 「興味はあったがボランティア活動をこのように知る機会がなかった。大学がこのような場を設けてくれてよかった。」
*梅田歩佳さん(国・1回生)
 「日常で学べないことを学ぶことができ、より災害ボランティアに興味をもった。大きな災害があればボランティアに行きたくなった。」
*張羽辰さん(情・院生)
 「たまたま時間があったので参加したが、想像以上に良い学ぶ機会だった。日本で就職が決まったので、災害があればボランティアに参加したい。」