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 3月11日(土)、立命館災害復興支援室は3.11追悼企画「いのちのつどい」を、立命館大学大阪いばらきキャンパスおよびオンライン配信で開催しました。本企画は、震災で犠牲になった方への鎮魂と復興を願うとともに、追悼の意味を込め、東北をはじめさまざまな震災への向き合い方を考える機会として、今回で12回目の開催となります。オープニングには、2022年5月、3年ぶりに岩手県大船渡市「碁石海岸観光まつり」に参加し、被災と復興の状況を学んだモダンジャズバレエ部がパフォーマンスを披露しました。

第1部 石巻市雄勝町における教育復興を通じた町の新生~MORIUMIUSの挑戦

 第1部では、子どもの職業体験施設「キッザニア」の創業メンバーで、公益社団法MORIUMIUS代表の油井元太郎氏(以下、油井氏)より被災地と子どもを元気づける活動やその思いについて語っていただきました。


司会・災害復興支援室 丹波史紀副室長
 

公益社団法MORIUMIUS代表 油井元太郎氏


  まちの約8割が壊滅した宮城県石巻市雄勝町ーーー油井氏は、東日本大震災発生後の2013年、に残っていた築94年の廃校を活用し、子どもたちの学び場となる複合体験施設「MORIUMIUS(モリウミアス)」を設立。豊かな森と海と里に囲まれ、自然とともに循環する暮らしを学び、体験できる場所をつくりました。

 油井氏はモリウミアス設立に向け、津波で大きな被害を受けた建物を一から清掃し、毎週5000人の手により2年半かけて、地域住民や企業など沢山の協力のもと改修した軌跡を振り返りました。沢山の人々の復興への思いと多様なアイディアをもとに、日本全国・世界各国から子どもたちが集まる場所になったと語ります。


 参加者からの「コロナ禍でも変わらず大切にしていたことは?」という質問に対して、油井氏は子どもたちに「この場所でいのちを感じ、いのちとのつながりを考え、育んでもらうことを大切にしている」と語りました。また、雄勝町のまちの現状と想いを紹介しながら「全国と世界から人が集まる学校と日本一元気な街をつくりたい」と今後の展望を述べました。最後に「テクノロジーが進化する時代だからこそ、地方の価値が高まる。原体験を通じて、子どもたちに豊かな自然とのつながり・暮らしを学んでもらいたい」と締めくくりました。

第2部 東北4県・熊本県とつなぐトークリレー~これからも被災地とともに~

 第2部では、これまで災害復興支援活動にてお世話になった、岩手県宮古市・岩手県大船渡市・宮城県気仙沼市・福島県相馬市・熊本県西原村の地域の方々と会場をオンラインでつなぎ、立命館とのエピソードや思い出、まちの現状についてを語っていただきました。

●岩手県宮古市×ODENSE 宮古市社会福祉協議会 葛氏(当時)・有原氏、大工の佐々木氏

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ODENSEの中から中継している様子(左)、建設当時の外観(右)

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左から、葛氏、佐々木氏、有原氏

   理工学部建築学科の宗本晋作教授とゼミ生を中心とした学生による簡易集会所「ODENSE」の建設プロジェクト。建設プロジェクトがはじまったきっかけや当時の状況をODENSEから中継いただきました。 ODENSEの詳細はこちら

●岩手県大船渡市 大船渡市職員 迎山氏   

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立命館大学サービスラーニングセンター横関氏(左)と迎山氏(右) 碁石海岸観光祭りで学生団体がパフォーマンスする様子

   大船渡市とは、2012年に包括連携協定を締結。以降、学生らによるイベント運営の支援や七夕祭りや碁石海岸観光まつり等のイベントでパフォーマンス披露、現地を学ぶプログラムを実施しています。学生団体の派遣や大船渡市との継続的な交流、現地の人も学生から元気をもらっていたエピソードなどをお話しいただきました。

●宮城県気仙沼市×ツリーハウス 唐桑御殿つなかん 菅野様、一般社団法人東北ツリーハウス観光協会・斉藤様

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左から、サービスラーニングラーニングセンター山口教授、斉藤氏、菅野氏

  50名を超える学生が一般社団法人東北ツリーハウス観光協会とともに、気仙沼市唐桑の鮪立(しびたち)でツリーハウスを建設するプロジェクトに参加。「立命館大学との関係がずっと続くことを望んでいます」と温かい言葉をいただきました。 ツリーハウスの詳細はこちら

●熊本県西原村×唐芋農家 曽我夫婦

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   2016年熊本県地震発生後、農家の方々の生活再建の支援のために学生が芋の苗植えなど農作業のボランティアを実施。当時活動に参加した卒業生の嶋春菜さんと一緒に現地から当時のエピソードをお話しいただきました。当時の活動レポートはこちら


福島県相馬市  復興知事業現地コーディネーター新田氏、復興支援センターMIRAI 高橋様
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新田氏(左)、高橋様(右)

南相馬市を中心とした震災当時の様子や復興支援センターMIRAIでの活動についてご紹介いただきました。

5つの地域から、立命館への思いや温かいメッセージをいただき、参加者それぞれが災害に見舞われた地域に思いを馳せる時間となりました。立命館災害復興支援室は、これからも災害に見舞われた地域とともに歩んでまいります。