正課・課外活動

09.12

正課

2023

福島県 食の安全についての実地研修

マネジメント論で食のリスクコミュニケーションが開催されたことをきっかけに、資源エネルギー庁が主催する福島での食の安全に関する実地研修を行いました。東京駅集合で福島にバスで行き、2023年9月5日~9月7日にかけて開催されました。

※2023年3月15日~17日の開催に次いで2回目の実施になります。

  

 1日目:いわき市の農家、ワンダーファーム元木社長に震災からの復興、不評被害、ビジネス展開の手法、6次産業化など多様な視点からお話を伺いました。ビジネスの視点から、安定的な収穫の重要性や生産性向上のための取り組み、BtoB取り引きなど食マネジメントを学ぶ視点から大変参考となりました。また、震災時は放射性物質が検出されないにもかかわらず、福島産であるというだけで売れなかったという風評被害のことも伺いました。

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 2日目:震災と放射性物質についてまなぶ1日となりました。午前中は除染土の中間貯蔵施設を見学し福島県内の除染で発生した土壌や廃棄物を最終処分するまでの間、安全かつ集中的に貯蔵されている実態を学びました。

 午後は東京電力の廃炉資料館にて、3.11に何が起こったのか、と現状についてお聞きしたのち、福島第一原子力発電所(第一原発)に向かいました。第一原発は厳重なセキュリティ下にあり、身分証明書で確認のうえ入構します。また、カメラやスマホなどの持ち込みも禁止されています。

 構内をバスで移動しながら震災発生からの現在に至るまでの対応、ALPS処理水の海洋放出の状況などの説明を伺いました。ALPS処理水を使って養殖をしている魚についても状況について説明を受けました。構内を出る際に線量計を返しましたが、見学中の線量は0.1μSV程度であり、日常生活であびる放射線と変わらない程度でした。

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実際に中間貯蔵施設に降りて放射線量の測定を行い、通常の大気中と変わらないことを確認しました。
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東京電力の廃炉資料館にて

  

 3日目:午前中は双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館を見学しました。震災当時小学生だった学生たちが、当時なにがあったかを改めて学ぶ機会になりました。見学時間ギリギリまで展示物を見つめる学生たちは、精いっぱい当時の状況を理解しようとしていました。

 最後に、震災遺構となる浪江町立請戸小学校へ行きました。請戸小学校は、東日本大震災の時に津波で大きく損壊しましたが、その状態をそのまま維持している建物となります。1階は津波で全壊、2階は当時のままを残しています。津波の威力をまじかに感じることとなりました。

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東日本大震災・原子力災害伝承館にて


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浪江町立請戸小学校にて

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 学生たちからは、『震災の日、どのようなことが起きたのか映像を見ただけで知ったつもりになっていたが、原発や、伝承館など、実際に目で見ると、その災害がどれほど大きなものであったかを改めて感じることができた。』、『請戸小学校見学では津波の被害の大きさを強く感じた。津波の被害を受けた一階と、地震のみの被害を受けた2階を比べると、津波の凄まじさが見てとれて胸が痛くなった。』などのコメントがありました。

 津波や原子力発電所の事故など、様々な影響を改めて確認し、自分がどのように関わっていくのか、という事を理解するきっかけともなりました。今後も、福島など様々な地域での実地研修を行っていきます。

 

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