教員紹介

これまでの研究の概要
専門は,組織行動論という,組織における個人や集団の行動,態度,心理を対象とした研究分野です。
その中でも特に,「支援行動」や「仕事と家庭の関係(ワーク・ファミリー・インターフェース)」に関心を持ち,これまで継続的に研究を行ってきました。
支援行動に関する研究では,以下の3つの視点から分析を進めています。
① 組織が個人の支援行動をどのようにマネジメントできるか
② 効果的な支援のあり方とは何か
③ コロナ禍において,職場の支援が個人に与えた影響
仕事と家庭の関係に関する研究では,両者の相互作用が個人の職場での行動にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしようとしています。なかでも,組織や上司による両立支援が,従業員の支援行動や創造性に及ぼす影響の解明に力を入れています。
食マネジメント学部における今後の研究の方向性
今後は,食のイノベーションについて研究を進めていく予定です。
例えば,オイシックスの食材キットは,不揃い野菜の積極的活用や家庭での食品廃棄の削減を実現すると同時に,共働き家庭や子育て世帯の時短調理ニーズにも応え,仕事と家庭のあり方に変化をもたらしました。
そういった食のイノベーションを起こす人はどのような人か,また,それを可能にする組織とはどのようなものかについて,ワーク・ファミリー・インターフェイスやウェルビーイングの視点から明らかにしていきたいと考えています。
主な研究業績
- 麓仁美・松下将章・森永雄太(2022)「職場における支援の受容がワーク・ファミリー・コンフリクトに与える影響:COVID-19の感染拡大による在宅勤務を調整変数として」『経営行動科学』32(1・2)21-37.
- 江夏幾多郎・服部泰宏・神吉直人・麓仁美・高尾義明・矢寺顕行(2021)『コロナショックと就労:流行初期の心理と行動についての実証分析』ミネルヴァ書房。
- 麓仁美(2019)「組織における協力行動のマネジメント:仕事の設計がメンタリング行動と向社会的モチベーションに与える影響」『組織科学』53(2)43-56.