教員紹介

木村 裕樹

Hiroki KIMURA 木村 裕樹 准教授

  • 専門分野民俗学
  • 所属学会日本民具学会、日本民俗学会、
    日本口承文芸学会、近畿民具学会、
    京都民俗学会

これまでの研究の概要

日本の職人と民具の研究の二つです。職人の研究では、椀や盆など挽物の漆器の素地をつくりだす木地屋について、民俗学をベースに地域的な産業史、工芸技術史の観点から研究してきました。木地屋は伝説上、その工具である木工ろくろを発明したことから「木椀元祖」とみなされる惟喬親王を職祖と仰ぎ、近江の小椋谷を発祥地として全国に移住したとされています。私は、移住先である会津漆器と山中漆器の産地でおもに長期的なフィールドワークをしてきました。一方、民具の研究では、国立民族学博物館が所蔵するアチックミューゼアム・コレクションの学史的な研究、欧米の博物館が所蔵する在外日本コレクションの実態調査にも従事してきました。

食マネジメント学部における今後の研究の方向性

日本の食生活の地域的な変遷を、民具はもとより文献やフィールドワークによって得られた資料を縦横につかって研究します。木地屋は当然のこととして、食の起源や伝承、発祥地や記念日を手がかりに、地域の伝統食文化の研究を行います。また、世界と日本の食をめぐる交流も視野に入れ、総合的な食文化研究をめざします。

主な研究業績

  • 復活する伝承 ―現代における山中漆器の沿革をめぐる新しい動き, 京都民俗, 25号, 2008
  • 鈴木式轆轤の普及と担い手の顕彰 -明治後期・大正期の福島県会津地方を中心に, 民具マンスリー, 42巻, 10号, 2010
  • 木地屋「根元地」の近代, 日次紀事研究会編『年中行事論叢―日次紀事からの出発』, 岩田書院, 2010