教員紹介

増山 律子

Ritsuko MASUYAMA 増山 律子 教授

  • 専門分野骨・ミネラル代謝学、栄養学
  • 所属学会日本内分泌学会、日本骨代謝学会、
    日本骨粗鬆症学会、日本歯科基礎医学会、
    日本ビタミン学会、日本栄養・食糧学会、
    米国骨代謝学会

これまでの研究の概要

骨やカルシウムの恒常性に関係するビタミンDの主な作用は腸管カルシウム吸収促進であり、これが低下するとカルシウム不足により骨量は減少します。「ビタミンDはカルシウム栄養や骨の健康に必要」というこの古典的な解釈は、しばしば常識として扱われる一方で、骨における局所的な作用には不明な点が多く論議が必要とされていました。これまでに、遺伝子組み換え技術を用いて組織特異的なビタミンD作用不全マウスを作出し、カルシウムの食事からの取り込みにおけるビタミンD作用の重要性と共に、カルシウム栄養状態に応じてビタミンDが骨量を調節するしくみを明らかにしました。また、骨組織に存在する細胞が、生体内のカルシウム動態やカルシウム栄養を感知して機能を変化する分子メカニズムを検討しています。

食マネジメント学部における今後の研究の方向性

消化管は様々な食事由来成分の刺激に応答する複雑な器官であり、その“ロバスト性”を生み出す要素や生物学的意義は何かを追及します。特に、骨・カルシウム恒常性を維持するしくみの中で、消化管での食事成分の感知認識メカニズムと、遠隔組織の機能との関連性を動物モデルや培養細胞システムを用いて評価する予定です。

主な研究業績

  • Phosphate-dependent luminal ATP metabolism regulates transcellular calcium transport in intestinal epithelial cells. FASEB J. 32:1903-1915. 2018
  • Normocalcemia is maintained in mice under conditions of calcium malabsorption by vitamin D-induced inhibition of bone mineralization. J Clin Invest. 122:1803-15. 2012
  • TRPV4-mediated calcium influx regulates terminal differentiation of osteoclasts. Cell Metab. 8:257-65. 2008