教員紹介

和田 有史

Yuji WADA 和田 有史 教授

  • 専門分野心理学 認知科学 官能評価
  • 所属学会日本心理学会(代議員) 日本基礎心理学会(理事)
    日本認知心理学会 日本味と匂学会
    日本官能評価学会(理事) 全日本・食学会

これまでの研究の概要

私たちの研究室では、人間の認識の仕組みを研究しています。食の学部なのに意外かもしれませんが、食べ物を認識し、選び、味わうのは人間です。
味や香りだけでなく、見た目、音、手触り、さらにはどんな場所で、誰と食べるかも、おいしさに影響します。
一口食べれば、食感や温度、内臓の反応までもが食経験に加わります。また、嫌悪や安全性などの認識も食にとっては重要な心の機能です。
私たちは、こうした食べる経験を生み出す感覚や心の不思議を科学的に解き明かし、それらの知見をウェルビーイングにつなげる研究を進めています。
前職は世界有数の食の研究機関である国立研究開発法人農研機構でただ一人の食の心理学者として感覚・知覚だけでなくリスクコミュニケーションなどの消費者の認識の研究も行いました。
これらの活動を通して120本以上の論文等の発表、30冊以上の書籍執筆(分担・編集を含む)、400回以上の学会発表・講演等、複数の特許取得・出願を行い、
15回以上の学会賞を受賞、多くの公的競争的研究資金や民間の研究資金を獲得しています。

食マネジメント学部における今後の研究の方向性

多感覚・認知デザイン研究室=和田研は視・聴・触・味・嗅の五感や内臓感覚などによる人間の認識を探求し、VRなどで新しい食体験を創出します。
さらにシェフらとおいしさの秘密を分析し、未来のタンパク源となる植物性食品やリスク認知教材の開発・評価に挑戦するなど食のウェルビーイングの実現に貢献することを目指しています。

主な研究業績

  • Shape variety of food can boost its visual appeal, Appetite 200 107567-107567 2024
  • Odor-Induced Taste Enhancement Is Specific to Naturally Occurring Temporal Order and the Respiration Phase, Multisensory Research 35(7-8) 537-554 2023
  • Taste of breath: the temporal order of taste and smell synchronized with breathing as a determinant for taste and olfactory integration SCIENTIFIC REPORTS 7 8922 2017