研究科長挨拶

スポーツと健康の融合研究で人々の幸せを実現する

スポーツ健康科学研究科に入学される大学院生の研究テーマは、自然科学系や人文・社会科学系など非常に多岐にわたっています。理系も文系も混ざり合った大学院といえますが、すべての大学院生がスポーツ健康科学という学問に取り組んでいます。我々の言うスポーツは野球やサッカーなどの競技スポーツだけではなく、ウォーキング、筋トレ、ストレッチングなどのエクササイズ、中学・高校での体育の授業やパーソナルトレーニング、スポーツ観戦なども含む多面的な分野です。一方、健康は「からだ」と「こころ」、「社会とのつながり」が良好な状態(ウェルビーイング)と定義されています。スポーツ健康科学は、スポーツ競技者や児童生徒、労働者、高齢者、障がい者など多様な人々を対象に、スポーツと健康を融合させた1つの学問として我々は捉えています。

立命館大学は、次世代研究大学を真剣に目指しています。次世代というのは皆さんの未来のことです。社会課題解決のための「新しい価値」を世界に先駆けて数多く創出することが大きな目標となります。スポーツ健康科学研究科では、スポーツ健康科学の教育・研究における智の融合を通して、人々の健康、幸福な社会、ならびに平和な世界を創造するとともに、スポーツ健康科学に関する専門性を有し、志高く未来を拓く人材を育成することを目的としています。「ひと」が健康的で豊かに暮らすことを実現するため、生物学的な「ヒト」の最小単位である細胞や遺伝子から、臓器、人体、さらに「人」の集合体である集団まで、社会の幅広い課題について、多様な学問分野を連携させ、科学的に解決策を導き、人々の健康、幸福な社会、平和な世界を創造することを目指します。

研究は、成果を世の中に発信してこそ社会に貢献できると言えます。わずか4分間の運動であるTABATAトレーニングは、世界中のトレーナーが時間効率と運動効果の高いトレーニング方法として海外で爆発的に知名度を上げ、スポーツ選手のパフォーマンス向上や人々の健康づくりに大きく貢献しています。我々は、このような新しいトレーニング方法の開発や疾患や介護予防のための効果的な運動・栄養介入方法の開発、人々の不安を和らげる先進的なトレーニング方法、スポーツ振興のためのまったく新しい取り組みなど、スポーツ健康科学を通じた新たな社会共生価値を創出したいと願っています。スポーツ健康科学を学び、実践し、社会へ還元することで、人々の健康で幸せな未来社会を実現させましょう。

スポーツ健康科学研究科 研究科長
真田 樹義