社会学研究科博士課程後期課程2 回生の岡村誠さんが、日本体育・スポーツ経営学会最優秀発表賞を受賞されました。
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2018-06-20

社会学研究科博士課程後期課程2 回生の岡村誠さんが、日本体育・スポーツ経営学会最優秀発表賞を受賞されました。

   社会学研究科博士課程後期課程2回生の岡村誠さんが、2018年3月17日から18日にかけて、北海道江別市の北翔大学で開催された第41回日本体育・スポーツ経営学会大会において、「市町村行政職員のスポーツ政策経営力量に関する概念的研究」をテーマに発表を行い、最優秀発表賞を受賞されました。
   この賞は、日本体育・スポーツ経営学会主催の学会大会において、優れた研究発表を行った会員に対して授与されるもので、若手研究者を育成し、その研究を奨励することを目的として設けられたものです。
   岡村さんは,一昨年度まで、都道府県職員として勤務していましたが、本学の中西純司教授と出会ったことがきっかけで研究者を目指すことを決断し,2017年4月に本学社会学研究科博士課程に入学しました。入学後は、毎週欠かさず中西先生の指導を受け、着実に研究を進めてきました。そうした積み重ねが今回の受賞につながったものと思われます。
   以下、岡村さんの発表に関する研究概要です。



【研究概要】
   我が国の地域スポーツ推進の主導的役割を担ってきた市町村スポーツ行政は、バブル経済崩壊後の行財政逼迫下にあって、限られたスポーツ関係予算を戦略的に獲得し効率的に配分しながら効果的なスポーツ事業を実践・展開するという「スポーツ政策経営」(中西, 2012)が、強く求められるようになった。
   こうした中、本研究では市町村スポーツ行政の人材に焦点をあて、文献研究および市町村スポーツ行政を対象とした質問紙調査結果の分析によって、今後、市町村行政職員に必要とされるスポーツ政策経営を実践するための専門力量(以下「スポーツ政策経営力量」)の解明を試みた。
   その結果、スポーツ政策経営力量は、「スポーツの基本的性質に関する知識」を中核として、「スポーツ政策形成力量」、「スポーツ事業実践力量」で構成されることが分かった。さらに、スポーツ事業実践力量の具体的内容として、スポーツ施設サービスを提供したり、子ども、高齢者、女性などを対象としたスポーツ教室を企画・運営したりといった多種多様なスポーツサービスを企画・運営するための力量や、体育(スポーツ)協会などのスポーツ団体の事務局を担当するための力量といった「事業展開力量」と、こうした事業展開を間接的に支援するためのスポーツ情報の提供や指導者養成研修会・講習会の開催、および体育(スポーツ)協会への補助金給付などに関する「資源調整力量」が求められるということが示唆された。
   今後、さらに研究をすすめることで、市町村行政職員に求められる専門力量が解明され、市町村行政職員の人材養成・育成システムの体系的な構築が可能となり、行政職員の力量形成がより一層促進されるのみならず、全国の市町村において「スポーツ政策経営」が行われ、究極的な目標である「21世紀生涯スポーツ社会の豊かな実現」に大きく貢献することが期待できる。


(左が岡村誠さんの指導教員の中西純司教授、右が岡村誠さん)