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天ヶ瀬 紀久子 先生(薬学部)

2021.01.20


『Lifespan (ライフスパン) : 老いなき世界』
デビッド・A・シンクレア, マシュー・D・ラプラント著 ; 梶山 あゆみ 訳(東洋経済新報社,2020)

老化研究で知らない人はいないといわれる、デビッド・A・シンクレア教授(ハーバード大学医学部)が、記した全米ベストセラーの日本語訳本が出ました。老化のキーとなる分子であるサーチュイン遺伝子の発見者の書です。老化が自然現象ではなく、病気であって治療できると言う概念を説明しており、その研究の経緯が、誰にでも理解できるように書かれています。未来を担う皆さんには、是非手に取っていただきたい1冊です。

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『セレンディピティー : 思いがけない発見・発明のドラマ』
R. M. ロバーツ著 ; 安藤 喬志 訳(化学同人,1993)

「セレンディピティ」それは「予期せぬ偶然の発見」の意味です。偶然の発見によって世界が大きく変わったこともありますが、それは単なる偶然ではなく、発見の背景には人々の努力があります。この本は、化学全般にわたった発見の物語です。発見された経緯はその内容だけでなく、これを読むことで偶然を、現実にする「眼」を身につける大学生活を送って頂きたいと思います。1つ1つの発見物語は10ページほどですので、通学時に1話毎に読みすすめてはどうでしょうか?英語版もメディアセンターにありますので、是非読んでみて頂きたいです。(Serendipity : accidental discoveries in science / Royston M. Roberts)

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『楽しい薬理学 : セレンディピティ』
岡部 進 著(南山堂,2001)

「薬理学」というとカタカナばかりの難しい学問というイメージがあるかもしれません。しかし古くに発見され今でも特効薬的に繁用されている薬物には、セレンディピティという言葉がぴったり当てはまる例が多いです。セレンディピティといわれるもののうち、特にくすりの歴史の中にある興味深い数々のエピソードが紹介されており、とっつきにくい薬理学を、楽しく解説した1冊です。薬理学を学んでいる人もそうでない人も、薬の発見の歴史の世界に一歩、足を踏み入れてみませんか。

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『ジキルとハイド』
ロバート・L.スティーヴンソン著 ; 田口 俊樹 訳(新潮社,2015)

ジキル博士とハイド氏は、二重人格の代名詞として使われるほど有名な怪奇小説です。薬の調合に魅了されたジキル博士が変身薬を作った興奮は科学者として共感できるものがありますが、それが冷酷な人格のみを持ったハイド氏への変身と破滅を導いたことに戦慄を覚えます。人は誰でも二面性を持っているものでありますが、冷酷な考えを律し善行を成す良心を持っているからこそ人であること、科学を探求する上でも同じであることを考えさせられる一冊です。

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『嫌われる勇気』
岸見 一郎, 古賀 史健 著(ダイヤモンド社,2013)

“すべての悩みは対人関係の悩みである”、“世界はシンプルであり、人生もまたシンプルである”、“叱ってはいけない、ほめてもいけない”、“いま、ここを真剣にいきる”など、本書に登場する言葉です。「アドラー心理学」の思想について理解するのは難しいですが、本書は理系の薬学生でも最後まで飽きずに読むことができます。是非読んでみてください。

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『面白くて眠れなくなる生物学』
長谷川 英祐 著(PHP研究所,2018)

これは生物学の教科書ではありません。生物学で行き詰まっているひと、生物学を専門にしていない人、気楽に読んでみてください。読み終えたら生物学がもっと理解しやすく、楽しくなればいいなと思って推薦します。眠れなくなるほど面白いか、と言うとそうではないかもしれません。Part1を読み始めてみて眠たくなったら、Part2または3を読んでみてください。「脳とアリは似ている」とか「ヒトもミツバチも鬱になる」といったエピソードに分かれていて空き時間にも読みやすいと思います。

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『シャーロック・ホームズの科学捜査を読む : ヴィクトリア時代の法科学百科』
E・J・ワグナー著 ; 日暮 雅通 訳(河出書房新社,2009)

科学捜査といえば「科捜研の○○」といったドラマを思い浮かべる人もいるでしょう。この本は皆さんご存知のホームズが行なった科学捜査が題材です。死因を調べるための解剖学、毒物の検出手法の確立、指紋による個人確定、足跡の重大性、血液の検出技術などなど、ヴィクトリア朝時代の科学捜査の技術が様々な角度から語られています。科学捜査の変遷をのぞいてみませんか?

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『レナードの朝』
石館 康平, 石館 宇夫 訳(晶文社,1993)

患者さんの治療内容と闘病の記録です。幼い頃から三十年以上眠り続けていた青年レナードに対し、マルコム医師が当時パーキンソン病の治療に使われていた新薬を試験的に投与することを許され、治療を開始します。人間のもつ大きな可能性を感じられる1冊です。本と共にDVDの視聴もまたお勧めです。

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