教員紹介

林 嘉宏教授
Yoshihiro HAYASHI
研究室 / 腫瘍病態制御学研究室
専門分野 / 生物系

経歴概要

Profile

2005年 滋賀医科大学 医学部 医学科 卒業 2013年 滋賀医科大学大学院 医学系研究科 博士課程 再生・腫瘍解析系専攻 修了  

研究者になったきっかけ

血液内科臨床医として働いていたとき、診断基準に当てはまらない患者さん、予後不良因子などがないにも関わらずガイドラインに沿った標準治療が効かない患者さんの診療に携わるたびに、「この病気は何が原因で起こったのだろう?」、「この診断で本当に良いのか?」、「なぜ治療が効かないのだろう?」といったもどかしさを感じていました。病気を治すために自分がすべきこと、自分がやりたいこと、自分にしかできないことは何かと深く考えました。そして、病気の起こる原因と機序を解明し、それをもとにした新規治療法を開発し、臨床ガイドラインの基盤となるような研究をしようと思い、研究の道に進むことを決意しました。

研究について

研究分野・テーマ

がんの病態解明とアンメットメディカルニーズを充たす新規治療法開発

 がんは、なぜ起こり、なぜ進行するのか。こうした根本的な問いに、医学・薬学の視点から挑む研究を行っています。臨床現場で得られた気づきを手がかりに、がんの病態を細胞レベルだけでなく、動物モデルを用いて個体全体として解析し、病気のしくみを多角的に理解します。さらに、明らかになったメカニズムをもとに、新しい治療標的を見いだし、将来の創薬や医療への応用を目指します。基礎研究と臨床をつなぐ研究を通して、まだ十分な治療法がないがんの克服に挑戦しています。

研究テーマへの想い

私は、医学研究者として、臨床的観察に基づく視点からがんの病態解明と新規治療戦略構築を目指したリバース・トランスレーショナルリサーチに携わってきました。今後、こうした成果を社会展開して臨床に還元するうえで、病態解明研究を創薬につなげるトランスレーショナルリサーチにも精力的に取り組んでいきたいと考えています。様々ながんにおいて、アンメットメディカルニーズを充たす革新的な新薬、治療法の開発を目指します。

学生へのメッセージ

自分がすべきこと、自分にしかできないことを見つけていくことが大切。

医療に関連する情報は年々多様化・高度化しています。患者さんの状態や社会的背景に応じて最適な医療を提供するうえで、多職種参画は必然の流れであり、薬に関する専門的知識と臨床力、人間力を備えた薬剤師は欠かせません。また、医療水準を持続的に向上させるためには、その基盤となる研究が不可欠です。抗体医薬や細胞医薬などモダリティが多様化・複雑化する中、薬学部を中心とした領域横断的な連携による創薬研究の推進が今後ますます重要となります。 有史以来、「薬」は医療の根幹であり、今後もその役割に変わりはないと思います。一方で、社会構造の変化やAIの実用化に伴って、医療を取り巻く状況は大きな変貌を遂げようとしています。これまで「あたりまえ」とされてきたことの多くが、そうではなくなろうとしています。急速なパラダイムシフトを経て来るべき時代を見据え、未来の臨床と研究を「薬」を通じて支える医療人を育て、その裾野を拡げていきたいと思っています。臨床でも研究でも、本当に大切なことは何かを見極め、自分がすべきこと、自分にしかできないことを見つけていくことが大切だと思います。