キャリア

在学生・卒業生の活躍

在学生

自分の今後の研究や進路を考える上でも大きな意味を持つものになりました

薬学研究科 博士課程後期課程 薬学専攻 2回生 Oさん
2024年度UP

私は2024年6月9日から9月13日まで、カナダのトロント大学薬学部で、APRに参加しました。現在は立命館大学大学院薬学研究科博士課程に在籍し、病態薬理学研究室で研究を進めています。今回の滞在では、トロントでの研究活動を通して、海外の研究環境に実際に身を置きながら学ぶ貴重な機会を得ることができました。

研究留学参加のきっかけ

トロント大学での研究留学に関心を持ったきっかけの一つは、薬学科5回生の時にTCTP(Toronto Clinical Training Program)に現地参加したいと考えていたものの、コロナ禍の影響でオンライン参加になってしまったことです。いつか海外の医療についても学びたいという思いがずっと残っていました。また、以前から海外の研究室で研究を経験してみたいという気持ちもあり、今回の機会に挑戦することを決めました。

今回はオンタリオ州内の薬局を2件訪問し、日本との違いを学ぶこともできました。例えば、散薬がないことや麻薬依存の患者さんへの対応など、日本の薬局とは異なる点が多くありました。また、その経験を通して、トロントに住む友人や顔見知りができたことや、トロント大学薬学部内で日本人研究者が活躍していることもわかりました。

海外の研究室での挑戦

Bendayan教授の研究室で研究活動を行いました。主な内容は、化合物の細胞内取り込みを調べる transporter assay と、ウイルス培養に関する実験です。研究室では、化合物を細胞に添加して一定時間曝露し、その後に液体シンチレーションカウンターを用いて測定するなど、これからの自分の研究に応用できる実験手法を学びました。実際に手を動かしながら実験を進めることで、知識として理解していたことが、より具体的な研究のプロセスとして結びついていったように感じます。

また、現地での一日は、朝に研究室へ向かい、論文を読んだりラボの学生と話したりした後、午後は手を動かして実験を行うという流れで進みました。週に1度、進捗報告会があり、私はこれまで日本で行ってきた自分の研究内容について発表しました。分野が完全に一致しているわけではなかったので、内容を丁寧に説明することを心がけました。ディスカッションを通して、自分に足りない視点が明確化され、さらに英語表現も多く学べたと思います。

研究活動そのものだけでなく、研究室の学生やスタッフと日常的にコミュニケーションを取る中で、研究に向かう姿勢や考え方にも刺激を受けました。国や文化が異なっても、より良い研究を目指して真剣に取り組む姿勢には共通するものがあり、同時に、研究室ごとの雰囲気や進め方の違いにも触れることができました。

トロントでの生活

今回の滞在では、研究だけでなく、トロントという街そのものからも多くの刺激を受けました。大学周辺の環境や街の雰囲気、ユニオン駅、CNタワー、ロジャースセンターなど、都市としての活気を感じられる場所が多くあり、研究生活の合間にもトロントでの暮らしを楽しむことができました。

さらに、滞在中には現地の人々や研究室のメンバーとの交流を通して、多様な価値観や考え方に触れることができました。今回の経験は、人との出会いにも支えられていたことを実感します。異なる背景を持つ人たちと時間を共有する中で、自分の視野が大きく広がったと感じました。

留学を通して得たものと後輩へのメッセージ

今回のトロントでの経験を通して、私は海外で研究を行うことの面白さと、その難しさの両方を実感しました。言語や環境の違いだけでなく、実際に現地で研究に参加することでしか見えてこないことが数多くありました。研究手法の違い、ラボでのコミュニケーション、研究者同士の距離感など、一つひとつが新鮮で、自分にとって大きな学びになりました。

トロントでの経験は、自分の今後の研究や進路を考える上でも大きな意味を持つものになりました。海外で研究することは特別なことのように感じられるかもしれませんが、実際に飛び込んでみることで、自分の可能性や課題がよりはっきり見えてきます。研究に関心がある人、海外で学ぶことに少しでも興味がある人にとって、このような経験はきっと大きな財産になると思います。興味があるなら、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいと思います。

※職業・勤務先・学年は、取材当時のものです。