東日本大震災は多くの人命を奪い、助かった人にも想像を絶する喪失、混乱をもたらしました。それは今もなお続き、時間の経過とともに複雑化しています。
私たちにできることは、「関心を持って見続ける」こと。それが復興に繋がると考えました。現地の方々との関係を構築するために10年続けると決めて、「漫画展」を開催することにしました。これにより地域の人々が自然に集まり、ひとときをともに過ごしたり、何気ない会話を交わす場所を作ることができました。
「木陰の物語」は家族にまつわるさまざまな物語を描いたもので、震災や災害が扱われている訳ではありません。他の家族の物語を読み「こんな思いで生きている人がいるんだ」と共感することで、自分の世界を蘇らせることができるのです。
「以前は言えなかったけれど今なら話せる」「来年はこうしたい」など継続してきたからこそ、聞くことのできた声が沢山あります。
一対一で時間をかけて支援していくのではなく、関心を持って見続けること。「被災と復興の証人」として今後も活動は続きます。