MESSAGE機構長挨拶

立命館グローバル・イノベーション研究機構長 挨拶

立命館グローバル・イノベーション研究機構(以下R-GIRO)は、大学の責務の一つである「社会貢献」を研究面で実現するため、日本が緊急に解決すべき「持続可能で豊かな社会の追求」を理念として、学長主導のもと、組織を横断して文理融合を牽引する研究高度化施策の一環として2008年4月に設立しました。

「第1期R-GIRO研究プログラム」としては、本学で世界に誇れる最先端の研究拠点の礎を形成し、世界で活躍できる若手研究者の育成を目的として、「環境」「材料・資源」「医療・健康」などの特定10領域に挑戦しました。

2012年からは第1期の研究成果の社会還元を促進するため、研究拠点形成に軸足を置き、「第2期拠点形成型R-GIRO研究プログラム」を開始し、本学の強みである分野横断力、分野統合力を結集し「特色ある異分野融合型の9研究拠点」を形成しました。第1期、第2期を通して「地球の自然回帰」を目指し、「自然共生型社会モデルの形成」を目標に44の研究プロジェクトが多くの研究成果を創出してきました。

2016年より開始した「第3期R-GIRO拠点形成研究プログラム」では、少子高齢化の危機を社会課題解決に取り組む好機と捉え、生命力と創造性あふれる「人間共生型社会モデルの形成」に軸足において、5拠点11研究プロジェクトで360名を超える研究者が参画しました。

2021年にスタートした「第4期R-GIRO拠点形成型研究プログラム」では地下資源・食料が枯渇している環境下で、人口減少傾向の日本の持続可能性を示唆する地球共生型社会モデルの形成するため、「自然環境の変化および人口・年齢構成の変化の挑戦」 に軸足を置き、4拠点11研究プロジェクトが現在も研究を推進しております。これらの研究プロジェクトから創出される研究成果が社会還元されることを大いに期待しているところです。

R-GIROでは研究推進と共に、若手研究者の育成と研究成果の情報発信に注力してきました。設立以来、専門研究員や研究員などの若手研究者を積極的に雇用し、これらの研究者の進路は、企業の研究開発部門やアカデミックな組織・大学の研究者など多方面に渡っています。一方、地域社会への貢献としてR-GIRO発足時より毎年複数回にわたりシンポジウム等学術発信のイベントを開催する他、イノベーションジャパンやエコプロ展などの全国的な展示会にも途切れなく参加してきました。

R-GIROが15年間に亘り継続できたのは、半年ごとに研究の内部評価を実施するとともに、毎年、産業界やアカデミアで活躍される有識者より構成される「アドバイザリー・ボード」で外部評価を実施し、大所高所からR-GIROの成果のみならず、将来の方向性についてご助言をいただいているからであり、外部評価委員に感謝を申し上げます。

本大学は現在、2030年に向けて学園ビジョン「挑戦をもっと自由に」の下、さらなる発展をめざしております。特に研究の面では、「新たな価値を創造する次世代研究大学」「イノベーション・創発性人材を生み出す大学」の実現へ向け邁進する中、R-GIROは今後も立命館大学らしい特色ある研究拠点の創成を通して、社会に大きく貢献してまいる所存です。

R-GIROへのご支援を心よりお願い申し上げます。

仲谷善雄先生
立命館グローバル・イノベーション研究機構長
仲谷善雄