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台風12号災害復興ボランティアバス

立命館大学では、9月の台風12号豪雨災害を受けて、2週連続でボランティアバスを運行しました。
第1便は参加者募集開始から締め切りまで数日しかなく、参加者が集まるか不安がありましたが、わずかの期間に14名の学生が申し込んでくれました。第2便も締め切り前に定員の15名に達し、締め切り後も申し込みに来る学生がチラホラいました。
今回の豪雨災害はかなりの大きな災害であるにも関わらず、東北の震災や原発事故などの陰に隠れてあまり報道を目にすることがありません。それでも、高い関心を持ち、少しでもお役に立ちたいと思っている学生が立命の中にたくさんいることがわかって、嬉しかったです。

<プログラム概要>
日時:第1便 2011年10月15日(土)~16日(日)
    第2便 2011年10月22日(土)~23日(日)
場所:和歌山県新宮市
主催:立命館大学サービスラーニングセンター
協力:立命館災害復興支援室、学生オフィス
    社会福祉法人大阪ボランティア協会

第1便は出発当日が雨で、「現地にたどり着けるだろうか」という一抹の不安とともに出発しました。というのも、現地までの道のりの途中には、台風の影響で土砂崩れが発生し、最近になってようやく復旧したという箇所もある状況でした。現地のボランティアセンターやバス会社などと連絡を取りながら、道路状況と安全確認を繰り返し、現地に向かいました。被害の大きさや生活への影響の一端を感じるプログラム初日でした。
2日目がプログラムの本番で、新宮市災害ボランティアセンター熊野川サテライトに行って今日の活動内容について説明を受けました。熊野川サテライトになっているドームは熊野川から数百メートルぐらい離れており、少し高くなっているところにあります。にも関わらず、そのドームの天井まで水が来たという話にビックリ。いまだに信じられないというのが本音です。地元の方も「60年ここに住んでいるが、こんな水が来たのは初めて」と言っておられました。
今回の活動は2つのグループに分かれ、1つは地元の商工会議所青年会の方々といっしょに、家の床板をはがして床下の泥をかき出す作業をしました。もう1つのグループは屋根まで水につかった家の壁板をはがして洗う作業を行いました。


はがした壁板を1枚1枚丁寧に洗いました。
こうした丁寧な作業は重機ではできません。「ボランティアならでは」と言えるでしょう。


床板をはがして泥をかき出す。


作業を終えて熊野川サテライトに戻ると、マッサージをしてもらったり、うどんやドラ焼きをいただいたりしました。
「ボランティアセンターで用意していただいたのかな?」と思ったら、みなさんボランティアでしておられるとのこと。
「ボランティアを癒すボランティア」がとっても嬉しかったです。


第2便では、プログラム初日の夜に、和歌山大学で豪雨災害復興支援活動などをしている学生団体「ForWard」や和歌山医科大学で同じく活動している学生と交流をしました。ForWardのメンバーはほぼ毎週末に現地入りして活動し、平日は泥水につかってしまった写真の修復作業などをしています。そんな一歩先を行く学生の話を聞き、それぞれが今回の災害に対して何ができるのかを語り合うことで、翌日の作業に対するモチベーションがさらに上がっていきました。また、ピースボート災害ボランティアセンターの主催するプログラムで和歌山に来た人もたまたま居合わせ、しかもそのうち1人は立命の学生でもあることがわかり、急遽交流会に参加してもらいました。そんな嬉しい出会いのある初日の夜でした。
2日目の活動では、梅畑の流木を撤去する作業と、別の畑を囲っている鳥獣防止用のネットを撤去する作業を行いました。個人の畑は家屋と違って、使えないとすぐに生活に困るというわけではない場合も多いです。しかし、畑の持ち主にとって畑仕事が生きがいになっている場合も多く、我々が伺ったところもまさにそんなケースでした。今回の活動を通じて生きがいを取り戻すお手伝いが少しでもできたのであれば、これほど嬉しいことはありません。


ボランティアセンターでいろんな資材をお借りするのですが、こうした資材は東北からお借りしているものだそうです。
東北へ集まった善意が和歌山にも巡ってきているのですね。


和歌山大学、和歌山医科大学の学生たちとの交流会。


わずか1泊2日、ボランティア活動は5時間程度の短いプログラムでしたが、思っていた以上に作業が進み、達成感を得ることができました。これも我々が活動しやすいように準備を整えてコーディネートしていただいた、新宮市災害ボランティアセンターや、協力していただいた大阪ボランティア協会のみなさまのおかげです。
とは言え、全体の被害や復興への長い道のりを考えれば、我々がやったことはほんの小さな小さな点でしかありません。東北の震災と同じく、紀伊半島の水害に対しても、復興支援を続けていきたいと思います。


和歌山大学復興支援活動団体「ForWard」
http://forward311.org/