Voices for future leaders修了生紹介

8期生

奈良 浩子

奈良 浩子Nara Hiroko

富士フイルムビジネス
イノベーションジャパン株式会社 
岐阜支社長

  • 富士フイルムビジネス
    イノベーションジャパン株式会社
    販売戦略推進部 
    販売サポートセンター センター長
  • 富士フイルムビジネス
    イノベーションジャパン株式会社 
    岐阜支社長

立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について

入塾後の自分自身の変化は、集約すると以下の3点です。

  1. 世界情勢や人文科学への関心が非常に高まった。それだけでなく、自分が受ける情報に対して異なる角度からも見るように試み、より正しく理解したいと思うようになった。
  2. より善く生きるために学ぶべきことは尽きないし、「自分は何も知らないのだ」ということを改めて自覚した。新たな疑問や学びへの扉をもっと叩いていきたいと考えるようになった。
  3. 「善きこと・人の役に立つこと」が「楽しみ・喜び」となるような人生を歩みたい、と思うようになった。

入塾志願書では、「私自身の探求心や向上心はまだ健全か、確かめてみたい」と書きました。西園寺塾を経て、幸いにも「大いに健全だった」ことを実証することができたと思っています。1年を通して、地球・人類史、資本主義・民主主義への多様な見解、諸外国の政治・外交問題に食らいつき、ディスカッションし、縦横無尽な脳内旅行を楽しみました(苦しみました)。

旅を終えて「自分」という拠点に戻ってみると、私の身体と心が今ここに形成されていることを奇跡のように感じています。学ぶことは、自分の立ち位置を正し、考え方をアップデートすることなのだと改めて実感しました。

西園寺塾で得たことは、これからも学び続け、正しく知る努力をしていこうと思う「自分の姿勢」です。正しいと思った方向を信じて、楽しく歩み続け、その道程が結果として人生になるのなら最高だと考えています。

特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。

  1. 中島隆博先生の講義(最初と最後の講義の合わせ技で)
    最初の講義では、宗教・哲学・倫理学と時代の流れ、国家との関連性を分かりやすく講義いただきました。課題図書『目的なき人生を生きる』(山内志朗)をほとんど理解できなかったという衝撃を対話のなかで吸収いただいたうえに、「学び直し」の入口へといざなってくださいました。偶然性から「私」は成り立っていて、他との関連性のなかで「私」の価値や意味が導かれる、という私にとっては新鮮な考え方を知ることができました。
    最終講義も中島先生が担当されたことで、塾の長旅が「自分」から始まり「自分」に帰したことに気づきました。「世の中のためにすべきこと(義務感)」と「人生においてやりたいこと(喜び・衝動)」との両立が塾においてたどり着いた自分自身への問いなのですが、その両立のトリガーは「知ることの喜び」なのではないか、という中島先生のご指摘を受け、最後まで興奮と感動を与えていただきました。
  2. 小川さやか先生の講義
    「タンザニアにおけるインフォーマル経済の形成」という、普段の私では絶対にたどりつくことのないテーマで講義いただき、自分が知らないうちに築いていた固定観念を覆すような、新鮮な考え方に触れることができました。今測っているスコアが将来においても同じ評価とは限らない、今ある財産が将来においても同じ価値とは限らない、しなやかに選択していける知恵を持つことが大切だとタンザニア商人は教えてくれました。日本は、これまで築いてきた経済力に固執せず、多様性を受け入れる寛容さをプラスしていけると良いと思いました。世界に既に存在する様々な文化や経済を知ることが、未来への想像力を養う糧になることも学ぶことができました。
    また、小川先生の講義は、笑いが絶えないうえに迫力があり圧倒されるとともに、学びを体中で楽しんでいる様子を見せつけられ、大きな衝撃を受けました。
  3. 堂目卓生先生の講義
    塾のプログラム構成が絶妙で、それまで様々なテーマでの講座の積み重ねがあったからこそ、堂目先生の熱い授業は腑に落ちる内容が多く、感慨深い時間となりました。世界は「最大多数の最大幸福」の時代から、「誰一人取り残さない」社会へ衣替えしていかなければならない。頭では分かっていても「一体自分には何ができるのか」という命題に思考が停止してしまいそうになります。ただ、最後にお話しくださった「自分事として捉えるには、①共感すること ②自分の責任に思いを至らせること ③人間性(利己心)を認識しつつ課題に向き合うこと」は、これからの自分の人生に当てはめることができるのではないかと思いました。また、グループディスカッションも良かったです。「知ること」の大切さを周囲の人に伝えよう、そのために自分がもっと知ろう、小さなことでも行動を起こしてみよう、という点について共通の認識を持つことができ、仲間との連帯感・連携が大切であることを感じました。

今後の夢や目標を教えてください。

この度、会社から全く新しい環境での新たな役割を命じられました。縁の無い土地で、未知の人間関係のなかに身を置くことになります。西園寺塾では、多様性の尊重、正しく理解しようと努めること・行動することの大切さを学びました。新たな任務においても、また今後どのような環境が待ち受けていようとも、その学びを活かし、姿勢を貫いて動いていきたいと思っています。

冒頭の繰り返しになりますが、「より良い生き方とは何か。幸福とは何か」を自分自身に問い、行動に移していくことの連続で、結果として人生という大きい器が埋まっていくような過ごし方をすることが私の目標です。

未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。

最初に送られてくるダンボール(=書籍の山)には面食らいますし、「(私には難解だった)課題図書の読破→事前レポート提出→受講→事後レポート提出」の繰り返しは正直言ってキツイです。ですが…!

第一線の教授陣による講義は、いつも「目からウロコ」で感動します。また、回を重ねるごとに自分自身の立ち位置を捉える視座や視野が変化していくことに驚きます。同期生と切磋琢磨し、かけがえのない関係性を築いていけることも魅力です。

塾の終盤では、学びの端子が様々な分野へ伸びていることを実感し、「学ぶこと」が好きになった自分をますます好きになっていることでしょう。その状態を目指して、楽しく頑張ってください。