【子ども社会専攻中西仁ゼミ】京北子どもプロジェクト~昔ながらの納豆をつくってみよう~

Posted on 2015.12.15

京都に納豆のふるさとがあるって知ってますか?北山杉
の産地として名高い右京区京北町です。その京北で産業
社会学部の学生たちが、子どもたちや親御さんたちと昔
ながらの「藁つと納豆」を作ってみようというプロジェ
クトが京北子どもプロジェクトです。京都市内各地から
約30名の親子を迎え、11月29日・12月6日に行われました。

まずはアイスブレーキング。親子で楽しめるゲームで盛
り上がりました。次に藁を使ってリース作りに挑戦しま
した。本物の藁にはじめて触れた子どもがほとんどなの
で、なかなか一人では難しく、学生とペアになっていろ
いろ工夫した結果、本格的なリースができたと思います。

藁の感触に慣れたら、今度はいよいよ「藁つと」作りで
す。こちらも学生と子どものペアで挑戦しました。「藁
つと」は納豆の寝床になるので、丁寧に作らないといけ
ません。どのペアも真剣でした。

藁つとができたら、大豆の煮豆を詰めていきます。この
大豆は学生たちが京北の畑で育てた京北産の大豆です。
でもこれはまだ納豆ではありません。これから4日間お
米のもみ殻を敷き詰めた納豆の寝床に寝かせてはじめて
納豆になります。

このプロジェクトの目的は、「教師を目指す学生が伝統
的な食文化を体験的に学ぶ」「子どもや保護者を巻き込
んでみんなで楽しめるイベントづくりを目指す」「参加
する親子に京北の良さを知ってもらう」などです。今年
で7回目。今年参加した学生たちの多くが小学校・中学
校・特別支援学校の教師として来年の4月から実際に教
壇に立ちます。体験的に得た知識がそれぞれの学校現場
で役に立つことを願っています。


文責:子ども社会専攻 中西仁教授



産業社会学部創設50周年記念式典・記念イベントは大成功をおさめました!

Posted on 2015.12.11

まず初めに、校友の皆様、学生、教職員の皆様、企画運
営にご協力いただいたすべての皆様に心よりお礼申し上
げます。

12月5日(土)、6日(日)、2日間にわたって開催された
産業社会学部創設50周年記念の諸行事は、両日ともに大
成功のもとに無事終了いたしました。同記念事業委員会
を代表して参加された卒業生の皆様はじめ、本企画を進
め支えてくださった事務局スタッフ、学生、校友、教職
員など関係者の皆様に深くお礼申し上げます。特に産社
校友会の多大なご支援に感謝いたします。
初日の記念式典には、600名余の方々が参加され、産社ら
しく格式張らず、華やかかつ盛大な式典となりました。
当日は、学生によるゼミナール大会、キャリア企画が取
り組まれました。各種の展示や西側広場特設ステージで
のさまざまなパフォーマンス、出店ブース企画などが多
彩に取り組まれ、総数で1000名をはるかに超える多くの
方々が集い、楽しみ、また懐かしの出会いを喜び合うこ
とができました。



<記念式典の様子>

二日目は、倉木麻衣さんのトークイベントに600名を超え
る方々が参加されました。当日も各種出店、展示企画の
他、産社の学びを考えるワークショップや大学院OG・
OBと現役院生ならびに教員の参加した共同研究会など
「まじめな企画」にも多くの参加者があり、二日目も大
成功でした。「恋するパラダイスさんしゃ」などのユニ
ークな企画、女性のための「産社サロン・クリスマスパ
ーティ」など女性のパワーが発揮された楽しい企画も大
成功でした。最後は、産社50歳を祝う大フィナーレ、抽
選会の後、「グレーター立命」を合唱し、締めくくりま
した。



この期間、多くのクラスで同窓会が開催され、夜はまた
京都市内各所で懐かしい再会と歓談の時がもたれました。
二日間の企画を成功させた産社の底力を実感できたよう
に思います。この取り組みを通じて、産社の50年の歩み
が作り上げた伝統と成果のすばらしさを皆で確かめ合う
ことができたと思います。この取り組みの成果のうえに
たって、60周年、70周年、さらには100周年を展望しつつ、
産業社会学部はさらなる発展を目指して鋭意努力し続け
ます。今後とも、産業社会学部への変わらぬご支援をお
願いいたします。



文責:創設50周年記念事業委員会委員長 佐藤春吉教授




【富永ゼミ】刺激的だった合同合宿

Posted on 2015.12.09

11月21日から22日にかけ、富永ゼミでは、愛知からは南
山大学大井ゼミ、福岡からは九州大学大賀ゼミと合同合
宿をしました。立命館からは2回生4人だけで、ほかの大
学は3,4回生が中心だったため、はじめはすこし心細か
ったです。1日目は南山大学主催の「街づくりワークショ
ップ」をしました。グループごとに決められた街の住人
になりきり、保育所を増やしたり交通整備を行ったりな
ど、各街に必要な政策などを考えます。そしてその実現
に向け、グループで与えられた資源である紙を決められ
た形に切り、まちづくりをするための資金に変え、政策
を実行していくというものです。私の班は東京都千代田
区で、交通整備や治安対策を基本に取り組みました。し
かしもともと持っている資源としての紙が少なく、代わ
りにグループの人数や資金が多かったため、人が少ない
地域のグループに人と紙を交換してもらうなどして、な
んとかやりくりしました。このように、ひとつのワーク
ショップのなかに様々な要素が組み込まれていて、実際
に頭だけでなく手も動かすものはとても新鮮でした。次
に行ったのは「まわしよみ新聞」で、各グループに与え
られたテーマに沿った新聞記事を各自持ち寄り、ひとつ
の大きな新聞にしてみんなに紹介するというものです。
わたしは自分が持ってきた新聞をうまくグループの人に
伝えられず、自分の取り組みの甘さを感じました。「保
育所を増やす」というテーマの班では、新聞の前で保育
士の少なさやその理由、対策について先輩方が熱く議論
しており、もっと社会問題について知り考えなければい
けないと刺激を受けました。

2日目は九州大学主催のワークショップをしました。「牛
肉ができるまで」では、普段食べている牛肉がわたした
ちのもとにくるまでどれほどの穀物が消費されているの
かなどについてのクイズを通し、それまでのプロセスに
ついて学びました。わたしたちのもとに牛肉が運ばれて
くるまでに、わたしたちが消費するだけではなく、牛を
育てるためにも膨大な量の穀物、水などが消費されてい
るのだと驚きました。「ひょうたん島問題」は架空の島
の住人となり、グループごとに移民に対する教育問題に
ついてマイノリティやマジョリティ、教育をする側など
それぞれの立場から議論をするワークショップです。さ
まざまな意見が対立しあうなかで、どの解決策ならみん
なが納得できるのか、妥協できるのか。教育を受ける子
供を優先に考えるか、費用を優先するか、消去法で選ぶ
のか。各グループ違った答えがでて、非常に面白かった
です。いかに自分の意見を論理的、合理的に伝えて通す
か、という力がついたと思います。

はじめは心細い気持ちが強かったですが、上回生の方た
ちのなかで、発表能力や発言の仕方などは刺激的で学ぶ
ところがたくさんありました。夜は同じ部屋の方たちと
おしゃべりをして、楽しかったです。来年からはゼミが
本格的に始まります。合宿を通してすこしですがゼミの
活動を感じることができ、期待に胸が膨らみました。



メディア社会専攻 2回生 田中綾夏



【50周年記念学術企画】 映画『産土』上映会と監督ティーチインを開催しました!

Posted on 2015.12.04

11月7日(土)立命館大学朱雀キャンパスにて、日本各地
の農山村地域を国内外の映像作家が撮ったユニークなド
キュメンタリー映画『産土』を上映し、同映画の監督で
ある長岡参氏、そして、同映画の字幕通訳を務めた田中
クレア氏のお二人をお招きしてのティーチインを開催し
ました。この映画を手がかりに、また、視野を国際的に
も広げつつ、お二人からのトークを手がかりに、映画製
作の経緯や背景、カナダ上映時のエピソードを交えつつ、
日本の農山村地域の課題、可能性などについてお話しい
ただき、ディスカッションを行いました。

本企画実施のねらいは、端的には、過疎や限界集落問題
といった視点から捉えられることの多い農山村地域の今
をどのように理解し、また、その未来をいかに展望しう
るのか、それを映画およびティーチインを手がかりに考
えていく機会をもつことにありました。本学部の学生・
院生、教職員、他学部・他大学の教員、そして校友を含
めた一般の方々の参加を得ることができ、全体として30
名ほど集まりました。
成果としては、映画『産土』の上映を通して、農山村地
域の多様な今を知りえたことがまず挙げられるでしょう。
廃村や限界集落化した地域から、給食への食材提供によ
る地産地消の取り組みをしている地域までが取り上げら
れ、一口に「農山村」あるいは「田舎」とはいっても、
その実情が多様なこと、また、地域固有の文化が地域生
活に息づいていることも知ることができました。
また、ティーチインにおいて、長岡監督や田中氏からの
説明によって、映像作家の視点からの農山村地域の見方
について理解が深まったこともまた成果としてあげられ
るでしょう。この映画は、フィクションとしての農山村
ではなく、リアルな農山村の姿にフィールドワーク的な
手法で迫るところにねらいがあったということ、都市民、
よそ者、若者の視点が反映されていること、撮影や編集
の過程で、作家の国民性の違いと、国を超えて農山村問
題の共通性が強く意識されるようになったこと、などが
話題にされました。

これらの論点は、フロアとのやり取りのなかでも広げら
れ、私たちが農山村問題をフィクション的に受け取るの
ではなく、リアルな問題として迫っていくための立ち位
置のありかた、手法のあり方について意見交換がなされ
ました。その他、映像という手法が農山村地域課題の単
なる記録だけでなく、むしろ問題提起や解決に向けて持
ちうる可能性についても議論されました。
上記のような成果が得られた上映会でありましたが、印
象に残ったのは、映像作品の持つ問題提起の性格であり、
このことが問題解決に着目しつつある社会学にとって重
要な意味を持ちうるかもしれない、という点です。今後
さらに映像作品の上映や映像作家たちとの対話を継続し
ていき、その問題提起を深め、共有したりしていければ
と思います。


文責:現代社会専攻 高嶋正晴教授



50周年記念事業プレ企画 斉藤里恵氏講演会を開催しました!

Posted on 2015.12.01

東京都北区議会議員で『筆談ホステス』の執筆者の斉藤
里恵氏をお招きして講演会を開催しました。斉藤氏から
は「障がいを持っていても、無理だとあきらめないこと」
「障がいという“個性”を活かすこと」という二つのメ
ッセージが寄せられました。

斉藤氏は、幼少期からの人とのコミュニケーション場面で、
自分から話しかけたり行動する方がスムーズで気楽に感じ
た経験をされ、それにより積極性が培われ、聴覚障害があ
ると困難であると思われがちな接客業にもチャレンジでき
たそうです。そうした接客業などでの筆談によるコミュニ
ケーションでは、斉藤氏ご自身は言葉以外の部分も読み取
った対話を心がけられ、相手にとっては普段言いにくいこ
とも言えるというケースもあることなどから、話し言葉よ
りもコミュニケーションが進む場合もあることなどが語ら
れました。

また、北区の選挙の際には、公職選挙法が障害者の立候補
を想定しておらず、チラシの配布や筆談を禁止しているた
め、有権者との対話の手段が制限されるという壁に直面さ
れたものの、名刺の裏に筆談のスペースを作られ、それに
よって対処されたエピソードが披露されました。現在の議
会活動では、筆談は禁止され、声のみの発言しか認められ
ていないため、パソコンの音声読み上げソフトを活用され、
それにより、他の議員だけでなく、有権者の方々とも対話
を進められているそうです。

今後、斉藤氏は、「議会から、バリアフリーが進んでいく」
ような取り組みをされるということでした。聴覚障害のあ
る議員は全国でも斉藤氏も含めて3名しかおらず、講演会で
述べられたような声が全国に広がって行くことは多様な社
会が構築されるための貴重な契機になると思われます。


文責:人間福祉専攻 鎮目真人教授



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