【産社OGによる講演会】デザイン思考×創造性でイノベーションを発想!

Posted on 2014.02.12

2013年12月23日、以学館23号産業社会学部のFD企画の
一環として、本学部OGの大本 綾氏をお招きして、表
題の講演会を開催しました。

近年、社会のさまざまな諸問題を解決する手法として、
デザイン思考と創造性を活かした、ソーシャル・イノ
ベーションが注目を集めていますが、それをビジネス
モデルとしても確立しようとするのがソーシャル・ビ
ジネスです。これらのイノベーションやビジネスはど
のようにして学ぶことができるのか、また、その学び
を深めていくにあたってのカギとはどのようなものな
のか・・・。

今回のセミナーでは、世界的にも高く評価されている
デンマークのビジネスデザインスクールの「カオスパ
イロット」に日本人留学生として初めて受け入れられ
た本学部OGの大本綾さんをお招きし、カオスパイロッ
トへ留学するに至るまでの大本さんの問題意識、また、
カオスパイロットの教育理念やカリキュラム内容、
その実際の授業の現場の様子、また大本さんの現在の
活動の様子などについてお話いただきました。

大本さんのデザインスクールに対する意識は、2011年
の東日本大震災後に仙台で開催されたTEDxTohokuへの
参加などを機に、デザインの力、アイデアの力、いわ
ゆる「デザイン思考」で社会の課題を解決する取り組
みを知った時に大きく芽生えたということです。世界
各地のさまざまな大学院や学校を探され、そのなかか
らデンマークのカオスパイロットを選ばれたというこ
とでした。カオスパイロットは、デザイン思考と創造
性、そしてリーダーシップについて順次学びを深めて
いき、それらを駆使して、多様なメンバーからなるチ
ームでイノベーションを発想し、そしてそれをビジネ
ス手法で(つまり、持続可能なかたちで)実践してい
くことを重視しているとのことでした。

このセミナーでは、カオスパイロットでの実際の授業
で使っている手法として、「ストーリーテリング」や
「ヴィジュアル・ランゲージ」、また「6色ハット法」
などについて紹介がありました。これらはいずれもチ
ーム・ビルディングをしていくにあたって、また、
チームで創造性やデザイン思考を高めていくにあたっ
てよく使われる手法とのことでした。

印象に残ったのが、「Learning by Doing」という言葉。
すなわち、やりながら考える、失敗してもいい、むし
ろ失敗から学ぶこと。失敗を恐れず、失敗もまたチャ
ンスなのだという考え方です。また、アイデアを生み
出す力である創造性を手がかりにイノベーションを発
想していくわけですが、そうした創造性やイノベーシ
ョンは、誰か特定の人にのみ備わった特殊な才能とい
うのではなく、むしろ習得可能な「スキル」なのであ
り、学びを通じて「個人でも、グループでもクリエイ
ティビティは高めていける」、というお話もまた印象
的でした。

大本さんはこのセミナーの最後に、「問題というより、
可能性を探す」ことが大事だと述べられました。課題
を探して研究して終わるのではなく、それを実際的に
解決する可能性をも探すこと、これこそがカオスパイ
ロットで得たもっとも大事な学びの1つである、と。
イノベーションというと、とかく発想の面白さや新し
さなどが注目されがちですが、根本で問うべきはむし
ろ、そうした発想が課題の発見や理解だけでなく、
課題解決の可能性をも豊かにするものであるのかどう
か、ということなのでしょう。社会学にかぎらず、社
会科学全般を学ぶ者にとって、今後はますますこうし
た点が要請されるようになってくるのかもしれません。

カオスパイロットとは?:
カオスパイロット(KAOSPILOT)は、1996年にデンマー
ク第2の都市オーフスに開学し、ビジネススクールとデ
ザインスクールの要素を併せ持つインターナショナル・
スクールであり、その名称は、カオス(混沌)的な社
会的諸状況においてもナビゲートできるパイロットの
ような人材を養成するということに由来する。カオス
パイロットの卒業生の多くは、社会や企業、NGOにおい
て変革を起こす起業家、チェンジメーカーとして活躍
しているという。
 
参考URL:
*ダイヤモンド社・書籍オンライン連載「幸福大国
デンマークのデザイン思考―ビジネスデザインスクール
留学ルポ―」 http://diamond.jp/category/s-danmark
*カオスパイロットHP(英語) http://www.kaospilot.dk/

講演者略歴:
1985年生まれ。立命館大学産業社会学部を卒業後、WPP
グループの広告会社であるグレイワールドワイドに入社。
大手消費材メーカーのブランド戦略、コミュニケーショ
ン開発に携わる。プライベートでは、TEDxTokyo yz、
TEDxTokyoのイベント企画、運営に携わる。2012年4月に
ビル&メリンダ・ゲイツ財団とのパートナーシップによ
りベルリンで開催されたTEDxChangeのサテライトイベン
ト、TEDxTokyoChangeではプロジェクトリーダーを務めた。
デンマークのビジネスデザインスクール「カオスパイロ
ット」に初の日本人留学生として受け入れられ、2012年
8月から留学中。ダイヤモンド・書籍オンラインの連載
記事『幸福大国デンマークのデザイン思考』の著者。

【産業社会学部校友会主催】学生支援企画を開催しました!

Posted on 2014.01.30

1月10日(金)産業社会学部校友会主催による学生支援
企画を開催しました。
産業社会学部校友会は、「若者の良きサポーターであっ
たり、若者からメンターとして近寄られる存在(校友会
会長談)」を目指し、学生支援を活発に行っています。
その一つとして今回「メディア業界のOBとの懇親会」が
開催されました。

当日は、産業社会学部OBであるTBSテレビプロデューサー
片山剛氏をお招きし、メディア業界の実態についてお話し
いただきました。教室には、メディア業界に興味がある、
将来マスコミ関係の仕事に就きたいなど、定員を超える
15名の学生が集まりました。

会場が小教室であったこともあり、片山さんとの距離が
非常に近く、学生たちは素朴な質問からコアな質問まで
様々な悩みをぶつけていました。それに対してユーモア
を交えつつ丁寧かつ熱心にお答えいただいている片山さ
んの姿が非常に印象的でした。

また、教室には産業社会学部OBである水谷啓郎氏がオー
ナーシェフを務めるイルピアットの料理がデリバリーさ
れ、教室に花を添えました。

終了後に実施したアンケートでは、「同じような企画を
定期的に開催してほしい。」「非常にためになった。
さらにメディア業界に興味を持った。」など積極的な声
が聞かれました。
今回の企画を通して、メディア業界に対する疑問や今抱
える就活での悩みなど、少しでも不安が解消されていれ
ば嬉しく思います。
産業社会学部校友会では、今後もこういった学生支援企
画を開催していく予定です!!


文責:産業社会学部事務室

産業社会学部 樋口耕一准教授が「社会調査協会賞」を受賞されました!

Posted on 2014.01.27

産業社会学部樋口耕一准教授が「社会調査協会賞」を
受賞されました。
「社会調査協会賞」とはどういった賞なのか、また、
今回の賞が研究や授業とどのような結びつきがあるのか
を樋口准教授よりわかりやすく説明していただきました。

<現代社会専攻 樋口耕一准教授>

★社会調査協会賞(『社会と調査』賞)について
産社の学生さんが取得できる資格の1つに「社会調査士」
というものがあります。この資格を認定している社会調
査協会が、年に1度、社会調査に関する研究を表彰しよう
という賞です。

★受賞した研究の内容について
アンケートの自由回答や新聞記事のような文章データを
分析するための新たな方法について、研究しています。
ただ人間が目でデータを見て、「えいやっ!」と結論を
出すだけでなく、客観的・統計的な根拠にもとづいて分
析しましょうという提案です。「計量テキスト分析」と
呼んでいます。

★文章を統計的に分析するなんて、少し難しそうですが・・
私が開発した分析用フリーソフトウェア「KH Coder」を
使えば、たとえば、文章から「共起ネットワーク」を自
動的に作ることができます。どんな言葉が多かったのか、
どの言葉とどの言葉がつながっていたのか一目瞭然なの
で、「肉眼」だけで頑張るよりむしろ簡単かもしれません。

       <共起ネットワーク>

★授業にも取り入れていらっしゃるとか・・
産社のゼミ(専門演習)はもちろん、「計量社会学」や
「社会調査研究II(大学院)」の授業で、この方法を学生
さんに体験してもらっています。統計的に分析してみるこ
とで、「言われてみれば確かに」というような文章の特徴
に気がつくかも?!

★樋口准教授よりひとこと
この方法について本を書きました。『社会調査のための計
量テキスト分析』(樋口耕一著,ナカニシヤ出版,2014年
1月発売)です。博士論文がベースなので専門書のおもむき
で、あまり入門的な文章ではないかもしれませんが、ご関
心おありの方に手に取ってみていただければ幸いです。
表紙の色は立命館のスクールカラーにあわせました。

『社会調査のための計量テキスト分析』

※当該の賞の公式サイトはこちらよりご覧いただけます。
http://jasr.or.jp/task/commend.html



文責:現代社会専攻 樋口耕一 准教授

現代ジャーナリズムの最前線を講義:ニューヨーク市立大学教授特別講演会開催

Posted on 2014.01.22

12月20日、立命館大学敬学館で、ニューヨーク市立大学
(CUNY)ジャーナリズム大学院のジェレミー・キャプラン
教育担当ディレクターが来日し、起業家マインドにそって
メディア・ジャーナリズムの活動を展開する「アントレプ
レニュアルジャーナリズム」についての講演会が、学部メ
ディア社会専攻企画のもと、関西アメリカンセンター、立
命館大学国際インスティテュート教学委員会との共催で行
われました。

<ジェレミー・キャプラン氏>

キャプラン氏は、『タイム』で長年記者をつとめた経験を
ベースに、現代社会で劇的に変容をとげるデジタル・ジャ
ーナリズムの未来について研究し、あわせてどのようにデ
ジタル・ジャーナリズムを実践してゆけばよいかを強く意
識させるジャーナリズム教育にも従事しています。
キャプラン氏は、米国のデジタル・ジャーナリズムの最前
線に焦点をあて、中でも「ソーシャルネット空間でのアン
トレプレナー・ジャーナリズムの可能性」について熱のこ
もった講演を行いました。
現在の米国では、オンラインニュースの無料提供やソーシ
ャルメディアを活用した市民参加型ジャーナリズムが発展
しており、他方、大手マス・マスメディア産業を久しく牽
引してきた新聞社が破綻し、廃刊に追い込まれるなど、い
わゆるオールドメディアが経営の危機に立たされています。

近い将来の2020年時点で、ジャーナリズムがどのようにあ
るべきか、将来に備えてどのような点に留意しておくべき
か、キャプラン氏は5つのポイントを上げました。それらは、
(1)情報を提示する際のデザインの重要性、(2)実験
的なジャーナリズムの営みを継続すること、(3)ジャー
ナリズム活動を維持・継続するための新たな収入源をみつ
けて、高い質の報道を行うこと、(4)キュレーションと
いう概念を用い、情報の収集や提示の仕方で工夫して人々
の興味関心を喚起する新たな取り組みの台頭、そして
(5)将来のジャーナリストとが備えるべき、マルチメデ
ィア対応の力と技術です。
キャプラン氏は、参加した学生たちに対し、若い世代の皆
さんは、失敗を恐れることなく最先端のメディア技術を活
用して、さまざまなジャーナリズムの実験的な試みに挑戦
して欲しい、と語りかけており、学生たちもこれに元気づ
けられたように、さまざまな質問をキャプラン氏に投げか
けていました。


文責:BEN

留学生交流会を開催しました!

Posted on 2014.01.10

11月22日に第2回産業社会学部留学生交流会を開催しました。
留学生から、普段日本人学生との交流が少ないという意見が
多かったので、今回の留学生交流会を企画しました。事前告
知等を大々的に行った結果、日本人学生40名、留学生20名、
計60名の学生が参加しました。

今回の留学生交流会では異文化理解に関するゲーム
※「BARNGA」を実施しました。ゲームのルールが「言葉を
発してはいけない」というものだったので、会場はとても
静かな雰囲気でした。ゲームが終わった後、全員で議論し、
日本人学生、留学生それぞれの考え方や文化の違いを理解
することができました。参加した日本人学生からは「こん
なに留学生がいることを初めて知りました。また、海外の
ことも知れて良かったです」「ゲームを通じて刺激を受け
ました」「友だちの幅が広がりました」などのコメントを
いただきました。

今回の留学生交流会は、産業社会学部自治会と産業社会学
部事務室が共同となって開催しました。これからも留学生
支援の面で、産業社会学部自治会と事務室とが一緒になっ
て留学生の学習や生活の支援を充実させていきたいと思い
ます。


文責:メディア社会専攻 1回生 周 通


※BARNGAとは・・・
トランプを使ったノンバーバルコミュニケーションゲーム。
(話すこと、筆談は禁止。身振り手振りは可)

●ルール
トランプのマーク、数字によって強さが決まっている。
一人一枚ずつカードをだし、
一番強いカードを出した者がそのラウンドの勝者となる。
カードがなくなるまでラウンドを続ける。

●実施方法
4~6名ずつのテーブルを複数つくる。
まずは各テーブルごとに、10分くらいレクチャーと練習
をしてから本番をはじめる。
各テーブルで一番勝った者と、一番負けた者は別のテーブ
ルに移動する。
合図があるまでゲームを続ける。

実はテーブルごとにルール・強いカードが違っている。
テーブルを移動するということで、別のルール(異文化)
の中に飛び込むと言うことになる。

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