を会場に児童25名保護者25名の計50名の参加を得て、子
ども社会専攻山下ゼミ(ピタゴラスイッチ班)による企
画「ピタゴラスイッチ in 立命館小学校」を実施しまし
た。この企画には、子ども社会専攻の有志20名もTAとし
て加わり、まさに子ども社会専攻の総力を結集した一大
イベントだと言えます(この模様は立命館小学校のホー
ムページにも掲載されているのでご覧下さい)。
【ゼミ活動としてのピタゴラスイッチ】
山下ゼミ(ピタゴラスイッチ班)の活動は、実は2年前
に逆ぼります。京都大学理学部との連携で、京大を会場
に「親子理科実験教室」のクリスマス特別企画として披
露したのが始まりです。本年度は、会場を立命館小学校
に移し、立命館小学校5、6年生を対象に、理科の学びを
生かす装置の製作、まさに実感をともなった理科の醍醐
味を満喫しようを合い言葉に、この6月から構想、試作、
そして改良と都合半年をかけての一大事業であったので
す。
「ピタゴラスイッチ」については皆さんもご存じのことと
思いますが、NHKのEテレで4歳から6歳児を対象としたテ
レビ番組に登場する「ピタゴラそうち」のことを、ここ
ではピタゴラスイッチと呼ぶことにしています。あの奇
妙な装置の数々をボールがまるで生きているかのように
走り抜ける、子どもも大人も夢中になる仕掛けです。
ピタゴラ班は、そこに目をつけ、子どもの学びのモチベ
ーションをかき立てる教材として、新たな息吹を吹き込
んだのです。
<学生と児童の真剣な表情>
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「ピタゴラスイッチを作ろう・遊ぼう」がテーマです。
身の回りにあるものを使って、運動の不思議を科学しよ
うというのが目的です。高いところからボールを転がす
と、ボールはどんどん速さを増していきます。でも、
それだけではつまらないですね。このボールが、様々な
「仕事」をやってのけます。「こんなこともできるんだ
・・・じゃ、もっとボールの転がる速さを速くしたら
・・・でもどうやったら速くなるんだろう・・・そうか、
高いところから落とせばいいんだ。」このとき、子ども
達は、ボールの速さとボールを置く高さの関係を学びま
す。
● 振り子の奇妙な動き(共振)を利用してボールのスタ
ート
● 坂道をかけ上り、止まる瞬間に次のボールにバトンタ
ッチ
● 磁石の曲がりくねった道をスイング
● リニヤモーターの先取りでボールを走らせろ
● 最後は、水とコップのアンサンブル
等々、転がるボールに様々な「仕掛け」をしては、子ども
たちに「運動の不思議さ」、「工夫することの楽しさ」を
体験してもらいます。
これらの仕掛けには「科学の不思議」が潜んでいます。
子どもたちは、ボールになりきって、科学の不思議を自分
の目で確かめてくれるに違いありません。チャレンジを通
して、運動エネルギーや位置エネルギー、衝突や振動など、
その後の理科の学びで登場する様々な概念について身を以
て体験する、楽しさとともにそのような機会を持って頂き
たいと願っています。(企画案内文から)
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【子ども達の笑顔】
前半の20分で子ども達は、各学習ブースで振り子や磁石な
どといった「理科の学び」を体験します。そこではゼミ生
が先生役になり子ども達をリードします。後半は、いよい
よスイッチ作り。前半に学んだことをどう生かすか、普段
の理科では味わえない「生かして学ぶ理科」の実感です。
最後は、保護者も一緒になって、スイッチをつないでピタ
ゴライッチの完成です。親と子が一緒になってつなぐ作業。
お父さん、お母さんの腕の見せ所です。難しいからこそ、
つながった時の喜びは大きいのです。子どもと親、そして
学生が一体となってはじめて装置はつながるのです。
<完成の様子>
「難しかったけど楽しかった(子)」、「親と子の楽しい
一時がうれしかった(保護者)」、「学生さんの懇切丁寧
な指導がありがたい(保護者)」。児童、保護者からは
100%の評価を頂きました。なお、装置は育友館2Fのショー
ケースに展示してあります。次回は、人体ピタゴラスイッ
チに挑戦。これは、教員の独り言です。
<集合写真>
文責:子ども社会専攻 山下芳樹 教授