産業社会学部 乾亨教授が執筆された書籍が「日本生活学会大会」にて受賞されました!

Posted on 2013.07.16

産業社会学部・乾亨教授が執筆された書籍が、「日本生活学会・学会賞」
および「こども環境学会・学会賞」に輝きました。


<産業社会学部 乾 亨 教授>

■対象書籍:
「マンションをふるさとにしたユーコート物語~これからの集合住宅育て」
(乾亨、延藤安弘共編著)昭和堂、2012年1月出版

■受賞:
○日本生活学会・学会賞(2012年度今和次郎賞)
【乾亨教授、延藤安弘氏(NPO法人まちの縁側育み隊代表理事)共同受賞】
 
<受賞理由>
本書は、ユーコートという住民主導型の協働居住の試みについて、長期間
にわたって「定点観測」し、マンション生活全般における暮らしと空間を
生き生きと描写した作品である。とくに、マンションの集団生活の「納得
のプロセス」という、軋轢やわずらわしさを含んだ話し合いの本質的価値
について、長期間の参与観察をふまえ、非常に緻密に記述されている。
また、居住者らの叡智と実践は、ユーコートのみに通じるものではなく、
今後の日本社会におけるマンション生活への重要な示唆が多数見られる。
ここのようなプラグマティックな記述は、生活研究の振興に大きく寄与する
社会的意義ある作品と認められる。
以上の結果、選考委員会は、乾 亨、延藤 安弘の両氏による本作品を2012
年度今和次郎賞候補として選考した。(「第40回日本生活学会大会資料」
(2013年6月)より)

○2012年度日本こども環境学会・学会賞(論文・著作賞)
【主たる受賞者:延藤安弘氏。乾教授は本学会の会員でないため、6名の
著者と共同受賞】

*上記書籍に対する顕彰

   

乾教授、このたびは誠におめでとうございます。
「SanShaの風景」では、産業社会学部の先生方のご活躍も随時紹介
していきます。
様々な分野で活躍されている先生方の様子をぜひご覧ください。

学生×教職員参加型!基礎演習FD懇談会が開催されました!

Posted on 2013.07.11

7月2日(火)、産業社会学部基礎演習FD懇談会が開催されました。
FD(Faculty Development:ファカルティ・ディベロップメント)
とは、「学部などが掲げる理念と教育目標を実現するために、カ
リキュラムや個々の授業内容・方法・評価等の適切性に関して、
教員が職員と協働し、学生の参画を得て検証を行い、さらなる改
善に活かしていく活動」です。 

今回の懇談会にはエンター*やES*、D-PLUS*として活躍する学生
18名、教員22名、職員8名、合計48名が参加し、産社の1回生小集
団科目「基礎演習」について意見交流しました。懇談会ではエン
ターやESの役割について、またD-PLUSが取り組んだ1回生向けの
「はじめてのレポート作成講座」の紹介や、基礎演習で身に付け
たい力などについて約2時間話し合いました。


参加者の感想を一部ご紹介します。

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こういった懇談会で、教員たちの話を聞いて、自分は教えられる
だけではなく、どういう風に教えられたいのかも言える場だった
ので、よかったと思います。(学生)

学生からの、「教えることで一番学んだという言葉が印象的。
教えることで学べる機会やそれにとりくむモチベーションをどう
教員が演出するか、が課題だと思った。(教員)
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今回の懇談会は、まさしく本学のFDの定義を体現した会議となり、
それぞれの立場の意見交流から、互いに学び合うことができました。

今後も、学部の教学を、学生、教職員で一緒につくっていける「産
社の文化」を醸成していきたいと思います。今回ご参加いただいた
みなさん、ありがとうございました!
どんな学生さんでも、参加自由ですので、興味がある方は、次回の
機会にぜひ、いらしてください!

*エンター:1回生全員が受講する小集団科目「基礎演習」に入り、
学習・生活・自治の三側面をサポートすることを目的とした学生
応援スタッフ。

*ES(Educational Supporter:教育サポーター):授業において、
先生や学生のサポートをする学部学生のこと。

*D-PLUS:産業社会学部のある以学館のデジタル施設・機器の利用
と学生のクリエイティブな活動の促進を目指す学生アルバイトス
タッフ。


産業社会学会アドバンストセミナーが開催されました!

Posted on 2013.07.09

7月5日(金)以学館地下多目的ホールにて産業社会学会アド
バンストセミナーが開催されました。
産業社会学会アドバンストセミナーとは、産業社会学会(※)
が始めた産社の新しい取り組みです。産社の持つ「学際的
学術性」をさまざまな角度から学会員のみなさんにご紹介
します。
(※)産業社会学会とは、産業社会学部や社会学研究科に所属
する学生・院生・教員から成り立ち、それらの研究活動の向
上を目標とした学術研究推進団体です。

第5回目となる今回は、社会学研究科博士前期課程の山田大地
さんが、「産業社会学部でも農業できるぞ!-産業社会学部・
京北プロジェクトの取り組みとその社会的意義-」をテーマ
に発表を行いました。

<社会学研究科博士前期課程 山田大地さん>

山田さんは、「京北プロジェクト」の活動意義や目指すもの、
また、今後の課題や展開についてスライドを交えながらお話
してくださいました。
京北プロジェクトは、京都市右京区の中山間地域である「京北
地域」をフィールドに、地域の風土や文化、地域の産業である
農林業とその背景にある自然環境を学びながら、地域の抱える
課題を実践的に解決する取り組みを行っています。
現在、取り組んでいるのは、「京北・りつまめ納豆プロジェクト」、
「市民農園プロジェクト」、「下宇津・栃の木プロジェクト」、「地
産地消プロジェクト」など地域の風土や文化、環境、第一次産
業に根ざしたプロジェクト(総称して京北プロジェクト)です。

山田さんが、今もっとも力を入れているという「京北・りつまめ
納豆プロジェクト」では、2年前から販売を開始した「りつまめ納
豆」が農林水産省食料産業局長賞を受賞し、全国の納豆の中
で2位と評価されました。この活動を通して、作物を育てることの
大変さを知ったと同時に、楽しさや喜びも知ったと言います。
オリジナルを生み出すことの重要性、そして、もっとインキュベー
ションする体制にしていくことで、「京北プロジェクト」はさらなる
活性化を目指します。

次回の産業社会学会アドバンストセミナーは7月12日(金)
に開催されます。
参加した方には、おにぎりとお茶をプレゼント!
みなさま、ふるってご参加ください。


国際語にもなった「KAROSHI」を韓国の眼から~社会学研究科DMDP院生が過労死をテーマとしたシンポジウムで報告~

Posted on 2013.07.04

韓国中央大学とのDMDP制度(※1)を活用し、昨年度から社会学
研究科に在籍しているカン・ミンジョンさん(M2、指導教員:櫻井
純理教授)が、研究テーマである「過労死・過労自殺問題」の韓
国での実態について、シンポジウムで櫻井教授と共に報告しま
した。

<カン・ミンジョンさん>


<櫻井 純理 教授>

カンさんが発表を行ったのは、2013年6月12日、「過労死110番
25周年記念シンポジウム」(主催:大阪過労死問題連絡会、会
場:エルおおさか)でのこと。今年は、国内外に「過労死」の存在
を知らしめることもなった電話相談「過労死110番」の実施から
四半世紀の節目を迎え、2013年6月現在、「過労死防止基本法」
を制定する社会運動も展開されています。「過労死社会は変革
できるか」をテーマに行われた今回のシンポジウムには、「過労
死を考える家族の会」のメンバーや支援者、過労死弁護団の先
生方、労働問題に関心を持つ研究者や市民など、50名近くが参
加されました。

カンさんは、韓国においても日本と同様の長時間労働が存在し、
そこでは過労死や過労自殺も発生していることを、現代製鉄や
ロッテ百貨店等で生じた最近の事例とともに報告しました。
しかし、韓国では遺族を横につなぐネットワークが日本のように
は存在せず、この問題に対する社会的関心もそれほど高まって
いません。今後は遺族や労働問題の専門家、弁護士、労働組合
等が力を合わせて、過労死・過労自殺の労災保障と予防活動に
取り組む仕組みを作っていくことが必要だと、カンさんは主張し、
今後、自身が研究と活動を通じて問題解決に貢献していきたい
と述べました。

会場に参加していた方々からは、カンさんの報告内容に大きな
関心が寄せられました。特に、長時間労働=勤勉、すなわち美
徳と捉える社会的風潮や、低い基本給を残業で補わなければな
らない給与構造など、韓日に共通する問題点があることが、強
い印象を持って受け止められたようです。『産経新聞』や『毎日
新聞』も当日の様子を記事に取り上げ、カンさんの報告内容が
誌面で紹介されました。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130621/waf13062107000002-n1.htm
*リンク切れの際は、ご容赦ください。

(※1)DMDP制度とは
Dual Master’s Degree Program(修士課程共同学位プログラム)
の略称で、このプログラムは、本学での2年間の博士前期課程在
学中にランカスター大学(イギリス)又は中央大学校(韓国)に正規
留学(1年間)することによって、最短2年間で両大学から修士号を
取得できる制度です。今年度も1名中央大学校に派遣予定です。
DMDPについて興味を持たれた方は産業社会学部事務室(大学
院担当)までお問い合わせください。


グローバル・フォーカス・国際セミナー 産社OBによる特別講義が開催されました!~PART2~

Posted on 2013.07.02

2013年度から開講した、グローバル・フォーカスのコア科目で
ある、「国際セミナー」ではこの6月、世界的に活躍をされて
いる産社OBの方を招聘し、特別講義を実施しました。

6月21日(金)は、和食料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さんに、
「日本食を世界に」と題してお話をいただきました。

<和食料亭「菊乃井」主人 村田吉弘さん>

村田さんは、京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」の長男として
生まれ、立命館大学在学中に、フランス料理修行のため渡仏。
大学卒業後は名古屋の料亭「加茂免」で修行を積み、1976年
「菊乃井木屋町店」を開店しました。自身のライフワークとして、
「日本料理を正しく世界に発信する」「公利のために料理を作る」
を実践されています。現在は海外にも足を広げ、2012年9月ロン
ドンに「クリサン(厨仙)」をオープンしました。

講義の中で村田さんは、「日本料理と諸外国の料理との最大の
違いは、日本料理が旨味の料理だという点である。世界では、
辛味・甘味・苦味・酸味の四味で料理が構成されているが、日本
料理では第五の味である旨味を中心にして、四味を同心円状に
配置している。旨味である出汁によって味付けするというのは日
本独自の発想であり、最大の特徴である。
特異な文化を持つ日本は、世界においてキーとなる存在になって
いる。」と述べられました。

村田さんは、「産社を選んだ明確な理由があったわけではあり
ませんが、振り返ってみると、産社で勉強して良かったと今は
思っています。」と話され、受講生に向けて、「グローバルな視点
に立って物事を考え、世界にどのような形で日本の文化を伝え
ていくかを考えなければならない。日本の伝統産業をプロデュー
ス、ディレクションすることで、必ず日本の伝統産業は息を吹き
返す。それができるのは、産業社会学部のような学部で「社会」
について学んでいるあなたたちです。今のうちに世界を歩き回り、
色々なものを見つけてきてほしい。そして、様々な事柄に対し、
疑問を持ち検証していく中で、たくさんのことを吸収してほしい。」
と熱いメッセージを送ってくださいました。

本講義を通して、日本料理のあるべき姿や、グローバルな視点
から見た日本料理の今後の展望を聞かせていただき、受講生に
とっては、今後学んでいく方向性やビジョンを見出すことができた、
非常に実りある90分間となりました。

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