教員紹介

FACULTY MEMBERS

スポーツ社会専攻

市井 吉興 教授
ICHII YOSHIFUSA

専攻
スポーツ社会専攻
専門分野
スポーツ社会学、レジャー社会学
研究者学術情報データベース

研究テーマ

新しいスポーツ=ニュースポーツを創ってみよう!そして、スポーツの魅力を探求してみよう!!でも、「新しいスポーツ」ってなんだ??

おすすめ書籍

『啓蒙の弁証法:哲学的断想』 ホルクハイマー、アドルノ著:徳永恂訳 (岩波書店、2007年)

ナチズム体験を経た彼らによる近代の両義性に対する鋭い洞察が、その後の哲学・思想に多大なインパクトを与えた名著です。大学2回生のときに、難解な言い回しに苦労しながらも必死に読みました。「啓蒙が野蛮に転化する」という彼らの指摘には、度肝を抜かれました。しかし、哲学を勉強し始めた市井青年は、ただ無力感に苛まれるだけでした(笑)。

『身体教育の神話と構造』岡崎勝著 (れんが書房新社、1987年)

まず、本書冒頭に示された「体育ぎらいでなぜ悪い!」という現役体育教師である著者の「心の叫び」に驚かされます。「体育教師のあなた、何をおっしゃっているんですか?」っていう感じですよね。しかし、著者は体育そのものが依って立つ思想基盤へと批判的に切り込み、私たちの体育・スポーツへの常識的な理解を揺るがし、そこに潜む「権力」を暴き出します。なかなか、ごっつい本です(笑)。

学生時代の思い出

1990年4月、私は立命館大学文学部哲学専攻に1年間の浪人生活を経て、入学しました。私の故郷は埼玉県川越市ですが、大学進学は関西圏の大学を志望しました。というのも、私は中高一貫全寮制男子校の出身で、そこで出会った関西圏から来ていた友人たちと仲良くなり、彼らが生まれ育った関西に「あこがれ」を抱いたからです。学生生活ですが、勉強はほどほどに、京都に集うユニークな人物とのディープな交流を堪能しておりました。しかも、京都生活1年後には、独特なイントネーションがありながらも流ちょうに関西弁を操り、初対面の方に関東圏出身と悟られることはなくなりました。しかし、私が習得した関西弁は関西圏の友人曰く「あんたの関西弁は芸人みたいや」と指摘されましたが、時すでに遅し!関西弁習得の参考資料が関西の友人が貸してくれたVTR『吉本新喜劇 ギャグ100連発』でしたので。まっ、しゃあないっすわ(笑)。

現在の学問分野に決めた理由

私は2011年に立命館大学産業社会学部に着任し、「スポーツ文化論」等を担当しています。2013年ごろから、既存のスポーツの範疇に収まりきらないスポーツ、つまり、ニュースポーツやサーフィン、スケートボード、スノーボード、BMX、パルクールなどのライフスタイルスポーツとその社会・文化的な背景に興味を持つようになりました。ライフスタイルスポーツが誕生し普及していった1960年代のアメリカは、カウンターカルチャーの全盛期で、自分達でスポーツを作り始める若者たちが現れました。例えばアメリカはスケートボードの発祥地ですが、そもそも「おもちゃ」として開発されたものに愛好家たちが改良を加えて、アグレッシブに滑ることができる現在の形に発展させました。学部のゼミではライフスタイルスポーツ誕生の社会・文化的なダイナミズムを探りながら、新しいスポーツを作っています。もしかしたら、研究しているというよりも、「新しいスポーツを作っている変なゼミ」と認識されているかもしれません(笑)。
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