教員紹介

FACULTY MEMBERS

現代社会専攻

平井 秀幸 准教授
HIRAI HIDEYUKI

専攻
現代社会専攻
専門分野
社会学、批判的犯罪学、アボリショニズム
研究者学術情報データベース

研究テーマ

刑務所のフィールドワーク、薬物依存症とその支援、セルフヘルプ・グループと当事者活動、社会批判と社会調査

おすすめ書籍

アシュリー・ミアーズ、『VIP:グローバル・パーティーサーキットの社会学』、みすず書房、2022年。

膨大な資産を持つ大富豪たちが大勢の「女の子」たちを伴って集い、世界各地の大都市やリゾート地のクラブを舞台として繰り広げられる「グローバル・パーティーサーキット」――。大学の社会学教員兼元モデルでもある著者は、そうしたパーティーシーンに「女の子」として自ら潜入し、なぜVIPたちは湯水のごとくお金を浪費するのか、「女の子」たちはどのように商品化され(つつ、危険を回避しながらシーンを生き抜こうとする)るのか、VIPと「女の子」をマッチングさせるプロモーターの役割とは何か、そもそもかれらはなぜ連日連夜パーティーに集うのか、といった問いの解明に挑みます。著者の目的は達成されるのか、それとも…。

社会学は、特定の人びとを除いて通常は「閉ざされ」ているような領域を、「社会調査」という武器を手に鮮やかにひも解く本書のような探究を得意としています。産業社会学部での学びに興味をもった方は、ぜひ本書を手にとり、社会調査の魅力、面白さ、そして難しさを追体験してほしいと思います。

学生時代の思い出

「きちんと朝早く起きて授業に出る」「まじめに出席して課題等にも取り組む」「サークル活動や課外活動にも積極的に参加する」…。私は、そうした意味での「良い学生」では必ずしも、というか全くなかったと思います。ですので、「学生時代の思い出」と言える(書ける)ようなものは少ないのですが、4年間の学部生活を通してひとつだけ誇れること、ないし、幸運だったと思えることがあります。

それは、よき師との「出会い」が得られたということです。その先生には、結局学部だけではなく、大学院修士課程・博士課程と10年近くお世話になることになりました。他の多くの教員が「良い学生」ではなかった私のマイナス点を減らそうとしてくださったのに対して(これはこれで大変ありがたかったのですが)、私の数少ないプラス点を探してそれを伸ばそうと関わってくれたことが、私にとってはよかったのかもしれません。

産業社会学部にはたくさんの教員、職員、学生がいます。気負いすぎる必要はありませんし、必ず「出会わ」なければならないといったこともありませんが、きっと多くの「出会い」のチャンスがあるのではないかと思います。

現在の学問分野に決めた理由

私の現在の学問分野(専門分野)は「批判的犯罪学」と呼ばれる社会学・犯罪学の一分野です。とはいえ、この分野を自分で積極的に「選んだ」「決めた」かと言われれば、ちょっと自信がありません。自分なりに重要だと思うようなテーマや問いを探究してきたら、結果としてこの分野にたどり着き、少なくとも現在時点ではこの分野で研究をしている、ということに過ぎないのです。もしかしたら数年後には全然違う分野で研究をしている(とみなされている)かもしれません。

ですから、高校生や学生の皆さんには、学問分野(専門分野)にはあまりとらわれず、ぜひ自分の気になったこと・自分なりの問題関心を思い切り探究してほしいと思います。産業社会学では極めて幅広いテーマ・問いに基づく学びが可能です。ちょっとカッコつけた言い方になりますが、そうしているうちに、自分のやっていることに対して学問分野(専門分野)の方が後からついてくるはずです。
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