教員紹介
FACULTY MEMBERS
現代社会専攻
三笘 利幸 教授
MITOMA TOSHIYUKI
研究テーマ
マックス・ヴェーバーの思想、近現代の沖縄をめぐる思想
おすすめ書籍
上間陽子『裸足で逃げる――沖縄の夜の少女たち』太田出版、2017年
この本は、沖縄で実際にさまざまな問題に直面している少女たちに密着して記されたものです。少女たちがどんな問題に直面しているのかとか、実際何が起こっているのか、についてはあえて紹介しません。わずかな字数で紹介しても、この本の与えるインパクトを伝えきれないからです。どうか読んで驚いてください。そして、その驚きをもとにさらに社会にどんな問題が起こっているのか考えてみてください。沖縄に限る必要はありません。日本に限る必要もありません。自分の日常生活ではおよそ想像もつかないような問題が、実は自分のすぐそばで起こっています。
学生時代の思い出
いまと違って、私が学生の頃はもっと「自由」で、勝手なことばかりしていたように思います。いろんな本を乱読しましたし、アルバイトをしてお金を貯めては沖縄に行くということを繰り返していました。そのとき読んだ本や沖縄に通いつめたことが、いまの研究につながっていますが、別に研究のために本を読んだり沖縄に行ったりしたわけではありません。ともかく楽しかった。高校までの決まりきった勉強から解放され、自分で自由にいろんなことができることが本当に楽しく思う日々でした。
現在の学問分野に決めた理由
学者は部屋で本ばかり読んでいて現実を知らないという先入観を持っていた私は、学者が大嫌いで、ともかく戦争や紛争あるいは深刻な問題が起こっている現場に実際に行って、それをしっかり伝えるフォトジャーナリストになりたいと思っていました。しかし、思索と実践とを切り結ぶ可能性をマックス・ヴェーバーが模索していることを知り、もしかすると自分にも研究もしかつ実際の現場にも関わっていくことができるのかもしれないと思い始め、大学院に進むことに決めました。まずはヴェーバーを研究し、そしてさらに沖縄研究に領域を広げていくことになるのですが、それは私が大嫌いな「学者」になるのではなく、理論や思想の研究を一方で行いつつ現実に起こっている問題へも対応していきたいと考えたからに他なりません。