教員紹介

FACULTY MEMBERS

現代社会専攻

富永 京子 准教授
TOMINAGA KYOKO

専攻
現代社会専攻
専門分野
国際社会学、社会運動論、グローバル化論
研究者学術情報データベース

研究テーマ

・政治に対して意見を言うことや批判をすることはなぜ日本社会では嫌がられてしまうのか
・「旅行」と「暮らし」を社会・政治とつなげて研究する

おすすめ書籍

自分自身は社会運動の研究者ですが、社会運動から学んだことに、いまここではない社会を想像する力と、社会は決して政治や政党といった大きな組織や構造だけではなく、日々の暮らしからも変えられるという点があります。それを考える上で、柳田國男『明治大正史 世相篇』、天野正子・桜井厚『「モノと女」の戦後史』といった、市井の人々の暮らしから社会変容を論じた著作はとても参考になりました。

学生時代の思い出

自分が大学生だったのは2005年から2009年で、ちょうどサイバーエージェントや楽天などのITベンチャーでメディアで多く取り沙汰されていた時期だったこともあり、ビジネスコンテストや政策提言イベントなどが多かったです。経営学科の学生でしたので、そういったイベントには随分出ていたような気がします。首都圏や近畿圏から離れた札幌の大学に在学していたこともあり、何かそういう世間の流れに乗らなくてはならないという感覚が強かったのかもしれません。 こういう場に出てくる人は誰しも立派というか、社会に対して主張がはっきりとある人々で、どうもこうはなれないな......と怖気づいてしまって、いったん社会に対する立ち位置を保留したいと考えて大学院に進学したという経緯があります。もっとも、研究者でも社会に対して何らかの立場を占めなければならず、時には主張をしなければならない点は変わりないのですが。

現在の学問分野に決めた理由

もともとは経済学部経営学科だったのですが、在学中に社会運動の「不思議さ」に惹かれ、社会運動論を研究したいと思い、修士課程からは人文社会系研究科の社会学研究室というところに進学しました。 社会運動は政治や社会を変革する活動なので、政治学や社会学からのアプローチが多く見られますが、実はそれだけでもありません。例えば「デモ」を人々の地理的な移動と捉えれば地理学や観光学からも分析できますし、「署名」を集めるためのテクノロジーを情報学やメディア論といった分野からも検討できるでしょう。 現在、富永研究室には社会学だけでなく、地理学、観光学、歴史学、政治学の研究者が出入りしてしますし、建築学や情報学などからのアプローチも可能です。そのような意味で、進学先が社会学研究室である必要は必ずしもなかったのかもしれませんが、ともあれ社会学の「社会運動論」という分野を研究しています。
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