古代・中世史ゼミ

授業紹介

 このゼミは、太古から唐末五代までの諸問題を卒業論文で取り上げようとする学生を対象としています。ゼミの目標は、3回生は自分の卒業論文で考察する具体的課題の設定、4回生は卒業論文の完成です。そのために、受講生は半期に一回個人発表を行います。3回生前期では自分の興味関心のあるテーマに関する先行研究を整理・検討することでそのテーマを巡る研究上の問題点を確認し、3回生後期と4回生では自身の卒論研究の途中経過を発表します。他の学生・院生(このゼミには大学院生も特別参加)・教員の指摘や助言を踏まえて手直しし、自身の研究の完成度を高めてゆきます。
噂ではこのゼミが東洋史学専攻の中で一番厳しいそうですが、一番鍛えられるゼミであることは確かでしょう。一回の授業での発表者は一人だけで、発表後の時間は質疑応答を行います。発表者以外の受講生にも発表内容に関する質問が義務づけられていて、質疑応答で不充分な発言をすると却下され質問・回答のやり直しになることもあります。そうやって2年間をこのゼミで過ごすと、就職面接でどんな質問がきても的確に答えられるようになるし、圧迫面接など屁とも思わなくなるそうです(過年度卒業生の談)。
このゼミは、研究力だけでなく、逞しく生きる力をも養成するゼミなのです

過去の卒業論文のテーマ
担当教員より
教授 鷹取 祐司
鷹取祐司 教授

 このゼミは卒業論文作成のための授業です。その卒業論文は文学部四年間の学びの集大成で、完成度はともかく学術論文である必要があります。学術論文とは、未解明の問題に対して新しい知見を提示するものですから、卒論も、調べたことを単にまとめればよいわけではなく、取り上げようと思うテーマに関する問題を踏まえて、卒論の中で解答を出すべき課題を設定することが不可欠です。ここでいう問題とは歴史学上の未解明の問題を指すだけでなく、従来の研究の誤りや不十分な点も含まれます。そのような問題を見つけ出すのは容易なことではありません。そのため、受講生は日夜七転八倒しながらこれまでの研究を読み問題を探求しています。この苦しみこそが、受講生を鍛え上げるのです。

教授 松本 保宣
松本保宣教授

 古代・中世史ゼミでは、中国文明の起源(新石器時代)から唐末五代までの時代を扱っています。いろんな学説がありますが、有力な説では、後漢王朝末期までを「古代」・唐末五代までを「中世」とします。また、3回生と4回生の合同ゼミです。ゼミは教員・学生が互いに意見を交わす討論の場です。その過程で諸々の意見が飛び交い、新しい発見がもたらされる、知的興奮を味わえる場です。また、プレゼンテーションとリサーチ能力が磨かれ、特に前者は就職活動や社会人となって求められるスキルです。実際に年度末の講義では、卒業して社会に旅立つ4回生から、「ゼミの経験が大変役に立った」という感想が述べられます。テーマは自分の好みを選べ、有益なスキルはその後の人生で役立つものです。この好条件は、ゼミ生のやる気次第で無限に展開できますし、教員や上回生は、それに対する援助を惜しみません。是非一歩を踏み出してください。