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2014年のニュース

2014.12.24

2014年度プロジェクト入門リサーチ・プロポーザル・コンペティションを開催しました

2014年12月15日(月)に政策科学部1回生対象のリサーチ・プロポーザル・コンペティションが衣笠キャンパス以学館1号ホールにて開催されました。政策科学部1回生の小集団演習科目「プロジェクト入門」では、前期の小集団演習科目である「基礎演習」で基本的理解、社会科学の方法論、グループワークの手法、政策科学における討議・討論の手法等の理解を深めることを通して得た論理的思考力・多角的視野・批判的思考・表現力・文章力を踏まえて、リサーチ・プロポーザル(研究計画書)の作成を行いました。リサーチ・プロポーザル(研究計画書)は2回生での政策実践研究プロジェクト・フォロワーにおける研究につながるものです。

今回開催されたリサーチ・プロポーザル・コンペティションには、1回生各クラス代表者によるリサーチ・プロポーザルの発表行う場を設けることで、多数の聴衆の前でのプレゼンテーションを通して、政策科学部での1年間の学びの達成度を1回生各自が再確認する機会を提供する目的があります。また、2回生の政策実践研究プロジェクト・フォロワーの研究へとつながるリサーチ・プロポーザルなので、今後の小集団演習における学習意欲も高める機会となります。

リサーチ・プロポーザル・コンペティションでは各プロジェクト入門13クラスとCRPS専攻1回生クラスで予選を行い、クラス代表を決めました。評価の基準は、①先行研究のレビューを踏まえた研究課題および研究目的の明確さ(10点)、②先行研究の調査分析を主とする事前調査(10点)、③発表態度、質問対応などプレゼンテーション全般(5点)の合計25点満点です。担当教員以外の教員13名が採点を行いました。

今回1位にはGクラスの是安亮佑さんが選ばれました。是安さんは今後の日本の安全保障についてASEANを踏まえて考察し、外交の展望予測とそれに伴う有効な安全保障施策の提案を行うことを目的とした「日本の安全保障の現状と対ASEAN外交の重要性」というテーマで発表をしました。是安さんは「リサーチプロポーザルコンペティションに出場したときや他の出場している方々の発表を聞いているときにも最優秀賞をいただけるとは思いもしませんでしたので、この度のことは大変光栄に思います。今後は多角的な視点から分析を行い、かつ研究状況の変化にも柔軟に対応しながら研究を進めていきたいです。高い評価をいただけたことに慢心せず、一つ一つ着実に進めていければとも思います。」と述べました。

なお、最優秀者に選ばれた是安さんは12月19日に開催された政策科学部アカデミック・フェスタにおいて、1回生代表として発表を行いました。

(文:政策科学会学生委員会 杉本安友子)

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2014.12.24

学部における政策科学研究の成果発信 ―2014年度PSアカデミック・フェスタの開催

政策科学部では各回生の優秀者が研究成果を発表するアカデミック・フェスタを毎年12月におこなっています。今年度は、12月19日(金)に以学館1号ホールで開催されました。この研究発表会は、3・4回生ゼミである専門演習における優秀者が発表を競い合うPS Exposition(Policy Science Exposition) 本選と1回生ゼミであるプロジェクト入門、2回生ゼミである研究入門フォーラムの最優秀賞受賞者による発表から構成されています。

当日は、まずPS Exposition本選からおこなわれました。今年度は5組が、各ゼミで実施される第1次予選(~11月7日)、各ゼミ代表者が公共政策系分科会、環境開発系分科会、社会マネジメント系分科会に分かれて競い合う第2次予選(12月2日)を経て出場しました。

今年度の本選出場者の研究テーマは、学生ならではのユニークな視点から身近な制度・政策の問題点を探った研究テーマ、グローバル化がさらに進行するなかで、日本がアジアの近隣諸国との間で貢献できる方策を考察する研究テーマを設定する出場者が目立ちました。しかし、どの研究も複雑多様化する課題をテーマ設定し、政策科学部生らしい多角的な分析手法を用いていました。

そのなかで優勝したのは、「キャンパス内全面禁煙による周辺地域への影響」という研究テーマで発表したグループです。キャンパス内全面禁煙によって周辺地域に発生する負の外部性を検証すべく、多くの衣笠キャンパス内外の関係者の協力を得て、聞き取り調査を重ねたアクティヴな研究で、アクション・リサーチの良さが表れていました。

準優勝者の研究テーマは「日本企業におけるBOPビジネスと貧困削減に関する一考察」です。貧困削減と収益との両立を目指すBOP(Base of the Economic Pyramid)ビジネスが、日本企業では遅れている原因を多角的に分析した意欲的な研究です。さらに、「就労継続支援B型事業所に対する地方自治体の財政的補助に関する考察 -大阪府箕面市を事例とした制度と実態-」「民法における時効制度について -短期消滅時効を中心に-」「商店街と高齢者の相互関係に関する研究」と続きました。

次に1・2回生の最優秀賞受賞者による発表がおこなわれました。1回生のプロジェクト入門リサーチ・プロポーザル・コンペティション最優秀賞受賞者の発表は「日本の安全保障の現状と対ASEAN外交の重要性」で、先行研究批判を十分におこなったことによって今後の研究の発展を期待できそうな研究です。最後に、2回生の研究入門フォーラム最優秀プロジェクトが、海外フィールドワーク、グループワークを最大限に活かして、日本企業が抱える国際経営、政府や市場との関係など様々な問題分析をした「日本企業の中国インフラ・ビジネス参入の障壁 -生活ゴミ焼却処理事業を中心として-」と題する発表をおこないました。

PSアカデミック・フェスタは今年度で10回目の節目を迎えますが、同時に衣笠キャンパスにおける最後の開催となりました。次年度より政策科学部は大阪いばらきキャンパスへ移転しますが、本行事は引き続き、学部における実践的な学びの一環として、学年を超えた学生スタッフによって企画・運営され、正に今回の企画テーマのように「新しい発見 羽ばたく政策」となっていくことでしょう。

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2014.12.16

2014年度研究入門フォーラム2次選考会を開催しました

2014年12月12日(金)、政策科学部2回生の小集団演習科目「研究入門フォーラム」の2次選考会を以学館1号ホールにて開催しました。「研究入門フォーラム」は、7~13名程度の学生からなる研究プロジェクトを編成し、各プロジェクトが自分たちで研究テーマを設定して1年間にわたって文献・資料調査だけではなく、実際に現地に赴く形でフィールドワークなどを通して、研究をグループワークで深化させていく科目です。2次選考会では、11月14日(金)の中間発表会で選出された以下の6つのプロジェクトが、教員のコメントなどを参考にさらに研究を進展させ、プレゼンテーションソフトを用いて口頭発表を行いました(「 」内は発表テーマを示します)。

  • 中国プロジェクト「日本企業の中国インフラ・ビジネス参入の障壁―生活ごみ焼却処理事業を中心として―」
  • 中国におけるシーパワー分析プロジェクト「中国海上権力の分析-マハン理論の観点から-」
  • 南信州観光プロジェクト「グリーン・ツーリズムを通じた農山村地域の活性化~長野県飯田市を事例として~」
  • 新世界市場活性化プロジェクト「新世界市場衰退の原因と活性化への課題」
  • 日本の安全保障とユーラシアプロジェクト「日本のエネルギー安全保障の強化に向けた研究~ロシア・モンゴルからの資源輸入の拡大~」
  • OIC地域連携プロジェクト「茨木市における多文化共生の可能性~留学生と地域住民の交流を通して~」

2次選考会では、6つのプロジェクトの発表と質疑応答が行われ、教員による厳正な審査の結果、中国の生活ごみ焼却処理事業における日本企業のインフラ・ビジネス参入障壁をテーマとして、文献・資料調査だけではなく、中国でのヒアリング調査を踏まえたデータ分析などを研究した「中国プロジェクト」が最優秀プロジェクトに選出されました。中国プロジェクトで発表をした杉本安友子さんは「今回、2次選考会にて発表し講評を得ることができたのは大きな経験となった。2次選考会まで、文献調査や中国でのフィールドワークを通した研究を行う中で、研究の進め方やグループワーク運営、政策科学研究の難しさと楽しさを学び、得ることができた。今後は教員の方々からいただいたコメントをもとに研究を深化させていくとともに、得た経験を活かして来年の専門演習でも研究に勤しみたいと考えている」と述べました。

また、最優秀にはならなかったプロジェクトもいずれも完成度の高い発表でした。「南信州観光プロジェクト」の渕脇慶太さんは「研究入門フォーラムでは、先行研究に基づいた仮説の設定と立証の難しさを学ぶだけでなく、研究の内容をめぐって班のメンバー内で意見が対立することもありました。ですが、平岡先生やTAのご指導もあり、フィールドスタディなどを通して班の絆が強まるなどして、研究を1年間やり遂げることが出来ました。来年の専門演習では引き続き同じテーマで、まだ解決されていない課題に取り組みたいと考えています」と述べています。また「日本の安全保障とユーラシアプロジェクト」で発表をした荒川円花さんは「研究入門フォーラムは、初めての学術的な研究であることと、グループワークの難しさから右往左往することも多々あったが、最後にはメンバー全員の力で研究を良い形にまとめることができた。この一年間で学んだことを活かし、専門演習ではさらに高度な研究を進められるよう、精一杯努力したい」と述べました。

最優秀プロジェクトに選出された中国プロジェクトは、12月19日(金)に開催される政策科学部アカデミックフェスタにおいて、2回生代表として発表を行います。

なお、これまで2次選考会は衣笠キャンパスで開催してきましたが、来年度からは大阪いばらきキャンパスで開催する予定です。

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2014.12.12

第10回京都から発信する政策系研究交流大会

2014年12月7日(日)、キャンパスプラザ京都において、第10回京都から発信する政策系研究交流大会が開催され、政策科学部・研究科の学生が「大学コンソーシアム京都理事長賞」(2回生若林佳織さん他)及び優秀賞を受賞しました。
この大会は、都市の抱える問題・課題を見つけ、それを解決するための「都市政策」を学ぶ京都の大学生・大学院生の研究交流・発表の場として大学コンソーシアム京都が主催して開催されました。
今年度は、口頭発表部門において55組、パネル発表部門において9組が出場し、本学からはそれぞれ11組、7組が研究成果を発表しました。
また、学生実行委員会メンバーとして、本学からは3回生兼田郁花さんや角裕哉さんが参加し、大会準備や当日運営のサポーターとして活躍しました。

本学学生による受賞内容は以下のとおり(受賞者名は研究代表者のみ)。

○大学コンソーシアム京都理事長賞
「中山間地域における若者の定住促進政策と今後の展望―南信州地域を事例に―」2回生 若林佳織他(研究入門南信州プロジェクト)

○優秀賞
「中国における生活ゴミ処理の課題と日本企業参入の可能性-ゴミ焼却処理を中心として-」
2回生 櫻井哲将他(研究入門フォーラム中国プロジェクト)

「グリーンツーリズムを通じた農山村地域の活性化-長野県飯田市を事例として-」
2回生 渕脇慶太他(研究入門フォーラム南信州プロジェクト)

「サハリン昆布輸入をめぐるアクター動向に関する一研究-1990年代初頭を事例として-」
4回生 本田純一 (宮脇ゼミ)

「市民の低炭素行動に関する日中比較研究-京都市と杭州市の公共バスを事例に-」
博士前期課程2回生 周霊怡

○ベスト質問賞
中森章太 周霊怡

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2014.12.10

元衆議院議員 野中廣務氏をお迎えしての講演が開催されました

元衆議院議員で自治大臣・国家公安委員長、内閣官房長官等を歴任された野中廣務氏をお招きし、講演が2014年11月19日におこなわれました。

本講演は、政策科学部の講義科目「人物からみる政策科学Ⅱ」の特別講義として、野中氏をお迎えしておこなわれたものです。前半は野中氏の政治活動の回顧、後半は学生からの質問に野中氏が答えるという形で開催されました。

講演の中で、野中氏は、京都府船井郡園部町議会議員、同町長、京都府議会議員、京都府副知事を歴任した時代を振り返り、その後の衆議院議員としての中央政界での活動においてこの地方政治の経験こそが重要であったと述べられました。また、政界から引退したあとの日本の政治をめぐる状況については、日本の将来に対して警鐘を鳴らす観点からお話がありました。

野中氏の講演を聴いた学生より「政治家を目指された契機とは?」、「今議論されている地方創生はどうあるべきか?」などの質問が寄せられました。野中氏は、学生の質問に丁寧に答えるなかで、「政治家は命が尽きるまで自身の信念を曲げてはいけない。それが政治家の責任だと思う」、「地方の政治を経験して、地方の痛みや苦しみを知った政治家がもっと中央政治に参画してほしい」と、ご自身がもつ政治家としての矜持とこれからの日本の政治に求められる人材についての考えを述べられるとともに、これからの日本を背負う若者に対する大きな思いと期待が語られました。

会場には、当該講義を履修する学生のほか、本学教員、他学部生、大学院生など多くの方々が訪れ、盛況のうちにおわりました。

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2014.12.10

研究入門フォーラム タイ・プロジェクト現地調査

政策科学部政策科学専攻2回生の小集団演習科目である研究入門フォーラムでは、今年もタイ・プロジェクトを開講し、夏期休暇にタイでの現地調査を実施しました。今年度からは同学部の英語プログラムであるCommunity and Regional Policy Studies(CRPS)専攻のIntroduction to On-site Research 1,2と合同開講とし、授業内での使用言語も英語にしました。政策科学専攻4名ならびにCRPS専攻2名の受講生が、本学部教員の豊田祐輔准教授、ションラオーン・ピヤダー助教とともに、2014年9月1日~12日にわたりタイ・タマサート大学建築計画学部のサポートを得ながら国際共同ワークショップに参加し、政府機関などでのヒアリングから住民などへの調査を通して、最終発表会で政策提言を行いました。

今回の調査の主な目的は、①ASEAN経済共同体の創設へ向けて共通語としての英語が重要になってくることから、今後の英語教育に重要な要因と改善方策の探索、②大都市バンコクでは自家用車の多さと不十分さ都市計画のため交通渋滞に悩んでいることから、バンコクへ流入する自家用車数を減らすための方策の検討、そして③経済発展の活力の源でもあるチャオプラヤ川下流域が観光都市でもあるバンコクにおける観光産業の水質汚濁の問題を抱えていることから、チャオプラヤ川沿いの商店における排水処理の問題解決策の提案でした。

受講生はタイに到着早々、自分たちの研究計画を発表し、タマサート大学教員などのコメントを受けて研究内容を修正しつつ、タマサート大学教員による講義やバンコク都庁などの政府機関でのヒアリングを経て、前期セメスターに行った文献調査に加えて、現状を把握するとともに、政府による対策などについて学びました。さらに、タマサート大学生のサポートを得ながら、自分たちの仮説(正しいかどうか未確定で、証拠を示して真偽を証明すべき説明)を検証するため、バンコクならびにタマサート大学においてアンケート調査およびインタビュー調査を実施しました。最後に、日本で考えてきた仮説を現地調査によって検証し、それぞれの社会問題について政策提言を行いました。

今回の訪問調査先は受講生たち自身で決めた研究テーマに合わせてタマサート大学のサポートにより決定され、日本における文献調査と調査デザインを踏まえた明確な目的意識をもって現地調査に取り組みました。特に目的①では大学生へのアンケート分析を通して研究モデルに基づいた仮説検証を丁寧に行い、目的②ではバンコク都庁が地元住民向けに実施するワークショップに参加することで、ボートと電車という公共交通機関間の連携の意味を実際の体験を持って学びました。そして、目的③では政府で取り決めている環境政策と実際の現場での排水処理という実践のギャップを見出すなど、設定した問題や課題を現地での体験、調査を通して理解するとともに、政策提言に繋げる貴重な機会となりました。

今年度からタイ・プロジェクトは授業内の使用言語が英語ということもあり、特に日本人学生は悪戦苦闘しながら前期セメスターを過ごしましたが、その日本での努力がタイでの英語による講義の聴講や現地調査を実りあるものにし、さらにタイ人教員や学生との有意義な議論につながったと思います。また、タマサート大学生との交流を通じて、タイがより身近に感じるようになるとともに、今回の経験によってタイでの留学を真剣に考えるようになった学生もいました。最後に、訪問受け入れにご協力いただいた各種政府機関・NGO、ならびに国際共同ワークショップを開催し貴重な現地調査の機会を設定していただいたタマサート大学建築計画学部の教員ならびに学生の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

ウェルカムパーティでの交流イベント
(タマサート大学にて)

バンコク都庁での講義

バンコクの低所得者居住地域での現地調査

最終発表会での発表の様子

最終発表会終了後の集合写真
(国際共同ワークショップ修了証とともに)

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2014.10.09

研究入門フォーラム・政策科学特別実習「ユーラシア・プロジェクト」現地調査

政策科学部2回生の小集団演習科目である研究入門フォーラムでは「日本の安全保障とユーラシア」プロジェクトが今夏にロシア(サハリン)とモンゴルを訪問し調査を行いました。日本政府も注目しているユーラシアにおける安全保障を、資源や地政学的牽制の両面から研究し、とりわけユーラシアの中でも重要な位置にあるサハリンとモンゴルに焦点を当て、日本そして日本の周辺地域、更にはユーラシア全域に渡る安全保障構築のプロセスと具体的な政策提言について一年を通し検討しています。

(1)サハリン訪問

北海道と立命館大学の協定(2013年9月)およびサハリン大学と立命館大学の協定(2014年5月)にもとづき、北海道庁とサハリン大学の協力をえて、2014年8月30日から9月3日までサハリンを訪問しました。

州都のユジノサハリンスクでは、サハリン大学石油・ガス学部、サハリンエナジー社、在ユジノサハリンスク日本総領事館、北海道庁サハリン事務所、北海道新聞社ユジノサハリンスク支局等を訪問し、インタビュー調査を行いました。サハリン大学では、石油ガス学部長の講演のほか、石油ガス学部の施設でサハリンプロジェクトで用いる練習用機械などを見学しました。在ユジノサハリンスク日本総領事館では鉄道輸送について意見を聞き、北海道新聞社ユジノサハリンスク支局ではサハリンプロジェクトやエネルギー開発等について、現地でなければ入手できない情報を得ることができました。また北海道に面するコルサコフを訪問し、LNGの出荷を行う基地を見学しました。

コルサコフのLNG基地を展望

サハリン大学石油ガス学部にて

これらの調査を通じて、サハリン側からみたエネルギー資源をめぐる実相を理解し、日露間の北海道・サハリンを経由するエネルギーの流通の条件について再検討しました。

なお9月1日にはサハリン大学の新入生歓迎式に参列し、学生の活気、同校の歴史、そしてロシアの広大さ及び奥深さに触れ感動を新たにしました。翌日、同大学の経済学東洋学部日本語学科の学生と政策科学部学生が一同に会し、日露の基本的知識についてのクイズを通じて交流を深めました。

(2)北海道庁での報告会

サハリンから帰国した後、札幌では、北海道庁の各部署の職員の方々を前に報告会を開催いたしました。サハリンの調査で得た情報を加え、北海道の地理的位置が北東アジアと極東ロシアを結ぶのに最適であること、サハリンと北海道を結ぶパイプラインや鉄道の実現によってもたらされる北海道の可能性をテーマにプレゼンテーションを行いました。この報告に対して道庁の方々より、専門的かつ実務的知見をもとに、サハリン―北海道間の連携強化の観点や国際的視野をふまえた具体的なご指摘をいただき、学生にとっては貴重な機会となりました。
なお道庁のプレゼンの前日、札幌大学にて学生の留学・派遣の発表会を催していただき、札幌大学の学生と交流を深めました。

(3)モンゴル訪問

札幌からモンゴルに向かいました。モンゴルでは、モンゴル外務大臣補佐官へのインタビューのほか、国家安全保障委員会で勤務している立命館大学政策科学研究科のOB・OGをはじめとする専門家のかたがたに、モンゴルと中国、ロシア、そして「第三の隣国」(アメリカ、日本など)との外交関係についてインタビューを行いました。
在モンゴル日本国大使館では日本側の視点からモンゴルの内部事情について聞き取りを行いました。JICAでは日本の支援がどのようにモンゴルと関わっているか質問を行いました。加えて、日本との関わりが深い新モンゴル高校では、学生の研究についてプレゼンテーションを行う機会をえました、それらの機会を通じて、研究に役立つ貴重な意見を得ることができました。
なお駒沢女子大学の協力をえて、イフザサク大学のゲルに宿泊し、両大学の学生と実り多い交流をおこないました。

モンゴル国家安全保障委員会にて

モンゴルのゲルにて

(4)後期セメスターに向けて

「日本の安全保障とユーラシア」プロジェクトは、対象とする地理的規模が広くテーマ設定が容易ではなかったため、前期や夏休みに多くの文献を渉猟し、学生相互に議論を重ね、明確な目標をもって現地調査に臨みました。現地でインタビュー調査を行うたびに新たな意見を得ることができ、学生は研究テーマを何度も再検討するなど悪戦苦闘していました。
しかし、現地調査を通じて今後の研究にとって貴重な知見をえたことに加え、学生が様々な場で活躍するときに必要となる大変貴重な経験になりました。後期セメスターでは、前期セメスターに進めた研究の構想に付随する問題の解決方法を模索します。

最後に、今回の訪問にあたり、格別のご高配を賜ったサハリン大学、北海道サハリン事務所及び同国際経済室、モンゴル国家安全保障委員会、札幌大学、駒沢女子大学のかたがたに、厚くお礼申し上げます。

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2014.10.01

韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告

政策科学部2回生の小集団演習科目である研究入門フォーラム・韓国プロジェクトでは、政策科学特別実習のテーマを「新たな外国人労働者に対する政策展開の可能性の模索-日韓比較を通じて-」としました。1年間にわたる政策過程研究の一環として、6名の受講者が2013年9月3日(水)〜9月10日(水)に本学部教員の松岡京美助教(公共政策・政策過程論)、藤原智栄美准教授(日本語教育学・社会言語学)とともに韓国のソウル市とその周辺で訪問調査を行いました。

調査実習の目的は、韓国における外国人労働者をめぐる制度利用の実態と問題点、および外国人労働者に対する支援などの現状を調査することで、日本での外国人労働者をめぐる新たな政策展開の可能性への知見を得ようとするものです。今回の調査では、前期セメスターで進めてきた文献調査を踏まえ、受講生との議論を通じて、韓国における現状を知るための訪問先を選びました。

9月3日(水)に韓国ソウル市に到着してすぐ、ソウル市にある外国人労働者の支援団体であるY団体の活動家であるCさんとのヒアリング調査(写真1)を行いました。異なる国からきている外国人労働者のコミュニティ形成支援、不法滞在者の子供の教育支援など実際の事例を紹介してもらいながら外国人労働者に対する支援活動の取り組みを聞くことができました。

9月4日(木)は、国からの受託を受けて外国人労働者の支援を行っている「韓国外国人人力支援センター」でWonkyung Kimさんにヒアリング調査(写真2)を行いました。国の雇用許可制に関する説明、その中でのセンター活動としての法律相談、外国人労働者に対する言語、パソコン教育などの状況について説明を聞くことができました。加えて、午後は、アンヤン大学を訪問し、Donghyun Ha教授による韓国中央行政に関する講義(写真3)を受けました。

9月5日(金)は、「ブチョン外国人労働者の家」のBongKyoung Kimさんとのヒアリング調査から、様々な外国人労働者支援団体が初期からどのような変化をたどり、その中でブチョン外国人労働者の家が担った役割などのへ説明を聞くことができました(写真4)。その団体と関連して活動する金子由美子さんへのインタービューによって日本人のコミュニティや他の国のコミュニティ活動との交流から、韓国における多文化家庭の現状を聞くことができました。また、訪問した韓国労働研究院のKyuyoun Lee博士からは、韓国政府の外国人労働者に対する国の政策の変容に関する説明や韓国経済での外国人労働者を含む労働問題などの説明を受けました(写真5)。

9月6日(土)から9月8日(月)では、アンヤン大学の学生との交流会や博物館などの見学、外国人(主に観光客)への韓国の文化体験などに参加しました(写真6、7、8、9)。

9月9日(火)は、「外国人移住労働者人権のための集まり」の副所長であるWonJeong  Seokさんにヒアリング調査をしました(写真10)。韓国での軍部政権から文民政権に至るまでの労働者をめぐる人権の向上と、そこでの外国人労働者の人権の向上ための活動などの説明を受けました。

今回の調査は、韓国の外国人労働者をめぐる制度の変容の中で、様々な組織が実際に取り組んでいる活動やその事例などを具体的に聞くことができ、学生のみではなく引率した教員にとっても大変有意義なものでした。これらの調査は、訪問の受け入れにご協力いただいた多くの方の助力で可能になりました。学生達との議論にお付き合いくださった皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告

(写真1)

韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告 韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告

(写真2)

(写真3)

韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告 韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告

(写真4)

(写真5)

韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告 韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告

(写真6)

(写真7)

韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告 韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告

(写真8)

(写真9)

韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告

(写真10)

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2014.08.04

โปรแกรมพีบีเอล หรือโปรแกรมพัฒนาคุณภาพการศึกษาโดยเรียนรู้จากปัญหาที่เกิดขึ้นจริงจากนานาชาติที่คณะนโยบายศึกษาจัดขึ้นได้เริ่มการเรียนการสอนแล้วในภาคการศึกษาแรกของปี 2557 (2014) โดยในปีแรกมีนักศึกษาจากมหาวิทยลัยธรรมศาสตร์มา 5 คน มาเรียนในโปรแกรมภาษาอังกฤษของคณะ ซึ่งมีหลายสาขาวิชาให้เลือก
วิชาหนึ่งที่นักศึกษาเรียนคือวิชา Global-Local Onsite Seminar ซึ่งเป็นวิชาเกี่ยวกับประเทศญี่ปุ่นและชุมชนท้องถิ่นในเกียวโตซึ่งเป็นที่ที่นักศึกษามาอยู่เป็นเวลา 3 เดือน วิชานี้แบ่งเป็นสองส่วน ส่วนแรกสอนโดยอาจารย์ชาวญี่ปุ่น เป็นการลงภาคสนามเก็บข้อมูลเกี่ยวกับชุมชนในระแวกมหาวิทยาลัยริทซึเมคังว่ามีการจัดการชุมชนและป้องกันภัยพิบัติจากธรรมชาติอย่างไร ส่วนหลังสอนโดยอาจารย์ชาวไทย เป็นหัวข้อเกี่ยวกับประวัติศาสตร์ สังคม วัฒนธรรม รวมทั้งภาษาญี่ปุ่นขั้นพื้นฐานเพื่อช่วยให้นักศึกษาเข้าใจสังคมและคนญี่ปุ่นตลอดจนวิถีการดำเนินชีวิตในประเทศญี่ปุ่นมากขึ้น

กิจกรรมทัศนศึกษาที่พิพิธภัณฑ์ชาติพันธุ์วิทยาเมืองโอซาก้า

นอกจากการเรียนในห้องเรียนแล้ว ยังมีกิจกรรมพิเศษนอกห้องเรียนด้วย นั่นคือการไปทัศนศึกษาที่พิพิธภัณฑ์ชาติพันธุ์วิทยาที่เมืองโอซาก้าเมื่อวันที่ 14 มิถุนายน 2557 พิพิธภัณฑ์แห่งนี้จัดแสดงสิ่งของเกี่ยวกับศิลปะ วัฒนธรรมและวิถีการดำเนินชีวิตของนานาประเทศรวมทั้งประเทศญี่ปุ่น การไปทัศนศึกษาที่พิพิธภัณฑ์แห่งนี้ทำให้นักศึกษาเข้าใจวัฒนธรรมและรากเหง้าของประเทศญี่ปุ่นดีขึ้นผ่านสื่อต่างๆเช่นวัตถุที่จัดแสดงและวีดีทัศน์ ทัศนศึกษาครั้งนี้ยังมีนักศึกษาชาวญี่ปุ่นและชาวจีนซึ่งกำลังเรียนวิชาศาสนาในเอเชียตะวันออกเฉียงใต้เข้าร่วมด้วย กิจกรรมนี้นอกจากจะทำให้นักศึกษาได้รู้จักประเทศญี่ปุ่นผ่านการจัดแสดงในพิพิธภัณฑ์แล้ว ยังเป็นโอกาสที่ดีของนักศึกษาไทยในการทำความรู้จักกับนักศึกษาชาวญี่ปุ่นและชาวจีนและแลกเปลี่ยนความรู้ความเข้าใจเกี่ยวกับประเทศของตนไปในตัวด้วย

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2014.08.04

立命館大学で東南アジアの宗教と社会を学ぶこと

文部科学省「平成25年度大学の世界展開力強化事業」に採択された立命館大学「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」の事前学習として、2014年5月から「東南アジアの宗教」という講義を開講しました。講師はタイ出身のピヤダー・ションラオーン助教です。この科目は、タイとインドネシアのAIMS(ASEAN International Mobility for Students Programme)の協定大学に留学する学生を主な対象としていますが、それ以外に東南アジアについて興味を持つ学生も履修できます。受講生は政策科学部の学生が主ですが、国際関係学部の学生も履修していました。
 この講義は「東南アジアの宗教」という授業ですが、登録している学生の多くは東南アジアについては初学者であるため、東南アジア地域とは何か、地域としてどのように、いつから結合されたのかという基本的な知識から学習しました。それから各国の社会、民族、歴史を踏みながら、各地の人々の宗教や信仰について講義しました。東南アジアは民族や宗教的が多種多様な地域であり、この地域で信仰されている宗教、つまり仏教、ヒンドゥ教、キリスト教、イスラム教、および各地の民間信仰を知るだけでも世界の宗教を把握できます。ただし、講義だけでは東南アジアのイメージをなかなかつかめにくいので、自分で各国の文化を体験するために6月14日に大阪国立民族博物館を見学しました。その際AIMSの協定校であるタイ・タマサート大学から来た留学生5人も参加しており、お互いの国の文化を学びながら、交流を深めました。

2014年6月14日、大阪国立民族博物館に見学した。タイの留学生も同行。

講義の後半は東南アジア各地における民族と宗教紛争、及びイスラム過激派と世界テロリストとの関連について焦点を当てました。最後にグループ・ディスカッションとして日本と東南アジアの宗教と人々の宗教に対する認識を比較しながら議論しました。この講義を通じて学生が強く感じたのは、東南アジアの人々にとって、宗教が人々の生活や考え方に強く影響しているということです。また学生からは、今まで宗教のこと、特にイスラム教についてあまり知らなかったので、この講義を通じて知識と理解を深めることができてよかったとの意見もありました。

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