東日本大震災から9年に寄せて
東日本大震災から9年が経ちました.長らく避難指示が出されていた双葉町,大熊町,富岡町で指示が解除され,住民の皆様も9年ぶりに我が家に戻られた方も多いことと思います.一方で,9年経た今なお,2500名を越える方々の行方がわかっていないという現実があります.月日だけでは解決されない被災者の皆様のご苦労,ご心労に思いを重ね,謹んでお見舞いを申し上げます.
立命館では,去る2月11日にいのちのつどいを開催しました.2020年度は震災から10年目を迎えることに鑑み,「3.11震災から10年目を見据えた復興支援の在り方について」と題してシンポジウムを開催しました.本学の東北での活動を振り返り,復興支援のあり方を参加者の皆様と議論するとともに,これからも被災地の皆様と一緒に復興に取り組んでいく思いを参加者一同あらためて心に刻みました.(詳細はこちら)
例年,3月10日には,いのちのつどい交流企画として,「3.11を思いながら美味しいものを食べよう」という会を開催してきました.また,3月14,15日には,昨年10月に発生した台風19号で大きな被害を受けられた丸森町に教職員を中心にボランティアに伺う予定をしていました.残念ながら,2月以降のコロナウィルスに起因する新型肺炎でいずれの企画も断念せざるを得ませんでした.参加を楽しみにしていただいていた方も多いことと思います.ご期待に添うことができず,深くお詫び申し上げます.
災害復興支援室は,設立から今年で10年の節目を迎えます.支援室では,立命館と災害との関わりを見据え,これからの支援活動のあり方を1年間かけて議論し,次の10年に向けて,これまで以上に我々にできることが何かを模索していきたいと考えています.
皆様の支援室への多大なご協力に感謝しますとともに,これからも被災地の皆様と一緒に粘り強く活動を続けていくことをお誓い申し上げて,追悼の言葉とさせていただきます.
2020年3月11日
学校法人立命館 災害復興支援室 室長 建山 和由