Reportレポート・参加者の声

浜の駅 松川浦-浜の台所「くぁせっと」

 2011年の東日本大震災から10年以上の月日が流れ、福島県をはじめ東北のニュースは3.11の特集か原発のニュースがほとんどである。そのため、関西に住む私たちの多くはだんだん関心が離れていってしまう。
 「チャレンジ、ふくしま塾。」4期生は、そんな若者たちが福島県に興味を抱けるような情報を発信することで、福島県の関係人口増加を目的に活動している。その一環として、今回は福島県で活躍されている方にインタビューし、少しでも「ふくしまの今」を知ってもらうために情報発信を行う。


 島インタビュー旅の1日目、私たちは「浜の駅 松川浦」にお邪魔していました。


浜の駅松川浦

浜野駅 松川浦


「浜の駅 松川浦」内にある「浜の台所 くぁせっと」で腹ごしらえ。そうま海鮮九曜丼松川浦カレーを食べました。新鮮な魚介が使われており、とっても美味しい!


そうま海鮮九曜丼と松川浦カレー

(左)そうま海鮮九曜丼 (右)松川浦カレー


見た目も楽しいそうま海鮮九曜丼は、インスタ映えばっちり!旬のお魚を使ったお料理はどれも絶品です。


浜の台所「くぁせっと」 店長 黒田夏貴さん

思いたったらすぐやってみたい!
 6年前に茨城から相馬に移住した黒田さん。黒田さんが福島でボランティア活動をするきっかけとなったのは、好きなアーティストが震災ボランティア活動をしていることでした。「思いたったらすぐやってみたい」という黒田さんの性格もあり、すぐに福島に飛び込んだと言います。

 ボランティアを始めた当初は被災された方々が住む仮設住宅でイベントを企画、運営するなどのコミュニティ支援に携わりました。その後も相馬で様々な活動を展開してきた黒田さんは、活動を通して出会った漁師さんとの繋がりから、浜の台所「くぁせっと」の店長に就任することになりました。「浜の駅松川浦」は水産物の風評払拭と漁業の本格操業再開を目指し、まちの賑わいを取り戻すために復興のシンボルとして2020年にオープンした施設です。「市の台所」×「相馬地方観光スポット」として営業する浜の駅で働く黒田さん。相馬の復興を間近に見てきた黒田さんに相馬のいまを聞きました。


相馬の魚

 相馬でとれる魚は約200種に及びます。相馬では、平目、カレイなどの白身魚が特に有名で、震災前は東京・銀座の高級寿司店で提供されている平目といえば、相馬産と言われたほどでした。
 震災後、試験操業を経て魚の放射線量を調べるサンプリングを行いました。相馬は、国の基準値である100ベクレルを大幅に下回る50ベクレルを基準値として独自に設定し、50ベクレルを超えない魚のみを市場に卸しています。


説明の様子

説明を受けている様子


あさり・のり養殖の復活

 震災後、津波の影響で松川浦名産のあさりやのりの養殖が途絶えてしまいました。生態系のバランスが整っていた松川浦に、津波によって多くの土砂が流れ込んでしまい、生態系が崩れてしまったのです。
 しかし、養殖再開に向けて試行錯誤を重ねた漁師さんの努力が実り、およそ2年前にようやくのりの養殖ができるようになりました。豊かな香りと鮮やかな緑色が特徴である相馬のあおさは、お味噌汁に入れるととっても美味しいです。あさりの潮干狩りができるようになる日も待ち遠しいです!


あおさ

あおさのり


あおさのり、浜の駅 松川浦でも売っています!お土産におすすめ!


浜の駅 松川浦の工夫

 浜の駅 松川浦では、生産者と消費者の繋がりを創出する市場づくりを行っています。 市場では、生産者(出品者)ごとに陳列棚が決まっています。また、商品の魅力を伝えるポップを生産者が作成することにより、消費者が生産者との距離をより身近に感じることができます。
 浜の台所「くぁせっと」では、相馬を代表するひらめをはじめとする地魚が、一番美味しい食べ方で提供されています。お味噌汁の味噌やあおさのり、そしてお米も相馬産を使用する地産地消の徹底ぶり。浜の台所「くぁせっと」では、お店の加工場でさばいた鮮度抜群のお魚を味わうことができます。


関西の学生へ

最後に、黒田さんより関西の学生へメッセージを頂きました。
「福島に少しでも興味があったら是非来て欲しい。テレビやネットで見る情報と違う、本当の情報を得られるはずだから。」

 私たちも、相馬産の魚や汚染水の海洋放出について、黒田さんから聞いて初めて知ることがたくさんありました。実際に福島に行き、福島の人々と関わることで、遠く離れた関西でテレビや新聞の報道を見ているだけでは得られない情報をたくさん得ることができました。 やはり実際に足を動かすことが大切ですね。


ぜひ、お魚が美味しくて景色が素晴らしい相馬に足を運んでみてください!
黒田さん、お時間を頂きましてありがとうございました。


大橋


文責:大谷楓


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