学部ポリシー
人材育成目的
食に関する深い知見を培い、高度なマネジメント能力と実践的な行動力を備え、私たちが直面する様々な食をめぐる課題の解決に寄与できる人材を育成する。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
食マネジメント学部は、人材育成目的を達成するために、卒業時において学生が身に付けるべき能力を「教育目標」として設定する。科目区分ごとの所定単位の修得と合計単位(124単位)の修得をもって、系統的な履修にもとづく人材育成目的の達成とみなし、学士(食マネジメント)の学位を授与する。
教育目標
- (1)食に関する広い関心を持ち、多様な視点を相互に関連付けて食を理解しようとする意欲と態度を持つ。
- (2)マネジメントを中心にカルチャー、テクノロジーなど、幅広い学問分野の知識を身に付けることによって、食に関する国内外の諸事象を理解できる。
- (3)食に関する国内外の課題解決のために、倫理的な態度と責任感を持って、他者とコミュニケーションを取りながら協働できる。
- (4)食に関する国内外の課題を発見・設定し、その課題に向けて社会での実践的な行動に移すことができる。
- (5)食に関する多様な考え方を関連付けて理解・分析した上で、自分の考えを明確にして発信することができる。
教育課程の編成方針(カリキュラム・ポリシー)
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(1)食に関わる課題を扱うためのマネジメントを学ぶ
高度マネジメント人材養成のために、経済学・経営学に関わる科目群を、基盤科目Ⅰおよび、マネジメント科目、学際マネジメント科目に分類して系統的な履修を図る。これらの科目は、グローバル化した食の生産から流通・消費までの仕組み、地域の役割、社会的な最適性・持続性を目指す政策など、食に関わる経済・経営システムを学ぶための体系である。基盤科目Iで経済学・経営学に関する基礎的素養を身に付けた上で、食に関わる分野への応用領域を扱うマネジメント科目、学際的な観点を取り入れた学際マネジメント科目を重点的に学ぶ。学際マネジメント科目は、上回生から履修可能な科目とする。 -
(2)食に関する学問分野を総合的に関連付けて学ぶ
食の高度マネジメント人材に必要とされる、食に関する広い知見と深い理解を身に付けるために、以下の科目群を設置する。
まず、基盤科目Ⅱとして、データサイエンスと食の学際研究を中心とした科目群を配置する。
そして、カルチャー科目、テクノロジー科目を置き、この2分野の科目にそれぞれ卒業に必要な単位を設定することで、マネジメント、カルチャー、テクノロジーの全ての分野を関連付けて学ぶ。
カルチャー科目は、食の多様性や広がりと奥深さを知り、異文化への理解力を高めるために、日本や世界の食の行動と価値観を、文化的、地理的、歴史的背景から学ぶ体系である。
テクノロジー科目は、食材の物質としての特性から、その体内への取り込みにともなって生じる身体的・生理的作用までの一連の科学的な仕組みを知り、これを基礎として人が安全に美味しく食べるということを理解するための、身体と認知・行動に関わる食のメカニズムと食品等の評価・開発に係わる知見を学ぶ体系である。
さらに、それぞれの分野の学びを関連付けて理解する力を養うために、食の現場や社会での課題を用いて学ぶ「総合講義」を配置する。 -
(3)コミュニケーションと協働を学ぶ
食に関わる課題を解決できるコミュニケーション能力を身に付け他者との協働を学ぶために、各学年に配置している演習において、ディスカッションやグループ学習等の手法を用いる。また、コミュニケーション能力を構成する重要な要素である異文化理解力を身につけるために、カルチャー科目を通して多様な文化について学ぶ。さらに、グローバルな舞台で活躍するためのコミュニケーションスキルとして、外国語科目の単位取得を必須とし、関心のあるテーマに基づく外国語でのプレゼンテーションやディスカッションなど、発信力を重視した外国語教育を実施する。初等PBL科目・専門PBL科目においては、社会と接点を持ち、課題解決型学習を行うことで、幅広い年代層を含むコミュニケーション能力と、課題遂行のための協働力を身に付ける。 -
(4)課題解決のための実践と発信を学ぶ
講義で得た理論を、実践を通じて知性として身に付けるために、初等PBL科目・専門PBL科目を中心に、多様な食関連分野の実践フィールドでのProject-Based Learning(以下、「PBL」)を実施する。また、テクノロジー系の知見と技術を身につけるために実習を含む科目として Workshop(以下「WS」)を設ける。併せて、卒業研究では、現実の社会の課題と関わるテーマを取り扱い、3年次、4年次の演習において卒業研究に向けた学習活動を行う。課題解決型のPBLや卒業研究では、発表の機会を設けることで発信力を養う。これらの課題解決に関わる取り組みの中で、食関連産業の現状について学ぶ機会を設け、問題発見・課題解決志向の涵養を図るとともに、自身のキャリア意識を高める。 -
(5)段階的かつ計画的に学びを深める
食マネジメント学部では1回生から4回生まで段階的かつ計画的に学習を進める。1回生から2回生にかけての期間を、食に関する多様な学問分野を関連付け、高度なマネジメント能力を身に付けるための基礎を培う期間、および基礎から発展への移行期とする。
続く3回生を発展期とし、3領域に展開する専門科目の学習を深める。
4回生は総合期として、4年間の学びの集大成として卒業研究を完成させる。
1回生~4回生までそれぞれの学習段階に基づいて、専門の講義科目、演習科目、PBL・WS科目において、それまでの学びを結びつける。併せて教室で学習した知識や理論と実践のサイクルが学習段階に応じて体系的に回るように各科目を配置する。このサイクルは4年間を通して続き、卒業研究をもって完成する。
上記の目的のため、食マネジメント専門科目を分類し、基盤科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、マネジメント科目・学際マネジメント科目・カルチャー科目・テクノロジー科目・総合講義という科目群ごとに卒業に必要な単位を定める。
基盤科目I・基盤科目Ⅱは、食マネジメントの基礎を身につけるために必要な専門科目であり、1~2回生に配当する。基盤科目Iには、マネジメントの基礎的知識に関わる専門科目を配置し、基盤科目Ⅱには、食への総合的アプローチの姿勢と、科学的な思考の基礎である統計学の知見と技術を身につけるための科目を配置する。
マネジメント領域の系統学習としては、基盤科目Ⅰのほか、1回生以降各学年にマネジメント科目として経営学・経済学に関わる専門科目を置き、2回生以降に学際マネジメント科目を置く。
カルチャー科目、テクノロジー科目では、各領域における専門的な学びや実践を行う上で必要となる知識の基礎となる講義科目を配置する。
基盤科目Ⅲは、実践的な教育を実現する科目群である。主として2回生に配当した初等PBL科目、初等WS科目、専門外国語科目では、フィールドワークや実験、語学などの知見と技術の基礎を実践的に体得する。3回生以上に配当される専門PBL科目、専門WS科目ではより高度な実践能力を体得する。初等演習科目および専門演習科目では、1回生の第1セメスターを高校から大学の学びの転換期と位置づけて、基礎演習において主体的な学びの導入を行い、第2セメスターから第4セメスターに配当する入門演習Ⅰ~Ⅲでは、毎学期、相異なる専門性をもつ複数の教員から学問の基礎を学ぶ。これにより食に関わる各論の深化と科目間の知識を結びつける総合化を通じて、本学部の学びをより深く理解し、3回生からの学習の準備を整える。3回生・4回生の専門演習では、一人の指導教員のもとで専門性を高めつつ、卒業研究を行う。あわせて、副指導教員からの助言をもらうことで学際性を担保する。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
食マネジメント学部の人材育成目的に共感し、食についての幅広い興味や関心を抱き、社会と関わる食についての諸分野を統合的に学び、現代社会において実践的な行動力を発揮できる者を募集します。
具体的には次の通りになります。
- (1)食に関わる分野について強い興味や関心を抱き、食科学を主体的に学ぶ知的好奇心を有する者。
- (2)食マネジメント学部に関わるマネジメント、カルチャー、テクノロジーの諸科目を理解するために必要となる基礎的な知識および技能を有する者。
- (3)5教科(国語、外国語、数学、理科、社会)、さらにそれ以外の教科も含めて、社会や文化に関連する内容や自然現象に関連する内容に関心を持ち、幅広く基礎的な学習をしてきた者。
- (4)文化多様性への理解を示し、修得した統合的な知性を、国内外において積極的に受発信し実践する意欲と、そのための思考力・判断力・表現力・コミュニケーション能力を持つ者。
自己評価・外部評価
立命館大学食マネジメント学部では、教学改革の方向性や、これまでの教育・研究などの考え方や取り組みについてご意見をいただくことにより、教学改革をいっそう実りあるものにするため、2022年度に自己評価および外部評価を実施しました。
今回の外部評価結果でご助言いただいた各項目の改善にとどまらず、学生及び保護者をはじめとするみなさまのご期待にお応えできるよう、更なる改善・改革に取り組んでまいります。
2022年度自己評価・外部評価結果報告書