飯田 香織さん の VOICE

VOICE

取材時期:2013年

飯田 香織さん 修了生

社会学研究科 応用社会学専攻
博士課程後期課程 1回生

研究とは、自分の経験を世に問い、質を高めること

私は今、コミュニティ心理学の視点を活かしたスクールカウンセリングについて研究しています。現在も継続していますが、10年程スクールカウンセラーとして勤務した経験の中で、少しでも多くの児童・生徒・先生方・学校のお役にたてるスクールカウンセラーの在り方とは何かを考えながら働いてきました。その過程でおぼろげながら感じていたことを、今研究という形で、言語化することができつつあるように感じています。また、言語化することで、個人的な臨床経験からくる個人的見解であったものが、たくさんの同職種の皆様、先生方などのご意見をいただくことができるようになり、社会的意義をもつ見解へと発展させていくことができる、ということが、研究の魅力であると感じています。特に、社会学というのは、物事を一側面から見るのではなく、社会とのかかわりという関係性から見る学問でもあります。対人援助職である私にとっては、個人と様々な社会的役割や他者と関係を紡ぎながら生きている方という視点で個人を見て、支援をしていくということは、大変有意義な視点であり、私が臨床の中で大事にしている視点でもあります。

私は、社会人入学で大学院博士後期課程に入学しました。仕事をつづけながら、研究を進めています。仕事と研究を両立させることを後押ししていただけるような環境である、現在の大学の構造や先生方に感謝しています。また、同じゼミに属する博士後期課程の皆様とは、時折ゼミでそれぞれの研究の進捗状況を報告し合い、大変多くの新しい知見をいただいています。