野村 実さん の VOICE

VOICE

取材時期:2013年

野村 実さん 修了生

社会学研究科 応用社会学専攻
研究コース 博士課程前期課程1回生

高齢社会における公共交通を、福祉の視点から捉え直す

私は「高齢者の移動保障」について、社会福祉協議会の実践に着目して研究を進めています。過疎地に限らず多くの地方で公共交通が衰退し、交通弱者や買い物難民が社会問題となり、「移動」を保障していくことが課題となっています。「利用者のための公共交通とは?」と問い続けるなかで、「需要応答型交通(DRT)」に着眼し、2市町の社協を対象に実地調査を行いながら研究しています。

社会学研究科ではほとんどが少人数の授業で、研究分野はもちろん、国籍、年齢、そして教員や院生の隔たりなくまさに「学際的」かつ「国際的」な視座で互いの研究について議論することができます。英語教育も充実しており、私の研究テーマでは英国やEU各国の先進事例の論文を読む際に、授業で学んだ研究手法が生かされていると感じます。

また実地調査では、机上の研究では知りえないことを明らかにするため、バスに試乗させていただき利用者にインタビューを行うなど、自分なりの調査手法を模索しています。
福祉視点から公共交通を捉える先行研究はほとんどありませんが、これからの高齢社会を俯瞰した際の「移動保障」が果たす役割を、多様な学びができる社会学研究科で「追究」していきます。