犬童 綾乃さん の VOICE

VOICE

取材時期:2015年

犬童 綾乃さん 修了生

立命館大学大学院社会学研究科応用社会学専攻
博士課程前期課程 2015年度修了
現職
NECフィールディング株式会社 営業職

院生時代に身につけた、課題発見能力 主体的に取り組む力 タイムマネジメント能力を現場での原動力に

社会学研究科では、どのようなテーマを研究されましたか。

私の修士論文のテーマは「日本の学校におけるメディア教育―その可能性と課題を考察する―」です。メディア教育とは、メディア・リテラシーという「情報をクリティカルに読み解き、社会におけるメディアの役割を理解し、自ら情報を発信できる能力」を育むことを目的に行われる教育です。世界的に注目されているメディア教育ですが、日本においては普及しているとは言い難い状況です。

そこで私は、メディア教育の普及を妨げる要因や課題は何か、教育現場の教師はメディア教育やメディア・リテラシーについてどのような認識を持っているのか、そして、日本におけるメディア教育の可能性を明らかにするため研究を行いました。

研究を進めていく上でご苦労されたことはありましたか。また、それをどのように乗り越えていかれましたか。

時間を管理することに気を使いました。私の場合、院生時代は研究だけでなく学部生のゼミや講義のアシスタントもしていたため、研究以外にも時間を使わなければなりませんでした。そのため、限られた時間をいかに有効に使うかを考えながら研究を進めていました。例えば、1日だらだらと研究をするのではなく、研究に没頭する時間、休憩する時間を決め時間をマネジメントすることで、メリハリのついた時間の使い方ができました。

その結果、時間に追われる感覚がなくなり心に余裕ができ、集中力も増したため、研究においても、またアシスタントの業務においても、自分が当時できる最高のパフォーマンスができたのではないかと思います。

院生時代の研究が、今のお仕事にどのように活かされていますか。

研究の内容自体が仕事に活かされるということは少ないかもしれません。ただ、院生時代に身に付けた、自分で課題を発見しその課題に主体的に取り組む力や、先述したようなタイムマネジメントの能力は、社会人になった今でも十分活かされる力であると感じています。

また、私は営業職の中でもお客さまの課題に対してより良いサービスを提案するコンサルティング営業を担っています。これを行うためには、お客さまのことを知るだけでなく、お客さまを取り巻く社会の状況や課題についても敏感でなければなりません。私は社会学を学部時代から専攻していたため、学生時代に社会について多くのことを学ぶことができたことは、社会人となった今でも大変役に立っています。

いま社会学研究科で学び研究する院生たちに、なにかアドバイスがありましたらお願いします。

自分がやりたいこと、知りたいことに全精力を持って取り組めるのが大学院生の醍醐味だと思います。限られた時間の中で、自分が持てる力を120%出し切るつもりで研究に励んでください。自分が一生懸命取り組んだことがあるという事実は、自信にも繋がります。そしてその自信は、今後の人生で大いに役立つ力となると思います。社会学研究科のみなさんのことを応援しています。頑張ってください。