岡田 律さん の VOICE

VOICE

取材時期:2015年

岡田 律さん 修了生

社会学研究科 応用社会学専攻
高度専門コース 博士課程前期課程1回生

長年の看護師経験を活かし、認知症高齢者の生活と支援を考察

私は認知症高齢者の生活と支援を社会学の視点から研究をしています。
長年看護師として身近に認知症の高齢者と接してきました。認知症の研究は進んでいますが、まだ認知症が正しく理解されていないのが現状です。認知症になると何も解らないと思われて「認知症にだけはなりたくない」ということをよく耳にします。マスコミでも「認知症を予防するには」というテーマが番組で取り上げられることが多く、認知症になった本人や家族は偏見に苦しんでいます。

日本でも少しずつ、認知症になった当事者が手記を出したり、講演会で自分の経験を話すようになってきました。誰もが病気にならない保障はありません。認知症を発症しても障害者になってもできるだけ本人が望むならば住み慣れた地域で自分らしく生きることができる社会になるように、そのための支援について考察しているところです。

念願が叶って社会学研究科に入学して先ず幅広い分野の研究をされておられる先生の多さに驚きました。授業は少人数で先生とテーブルを囲み課題に対して論点を皆で話し合っています。当初はレポート発表に緊張しましたが、少しずつ慣れてきました。今は多くの留学生や仲間と研究について話し合う時間、この多様な学びのできる場にいることが楽しくてなりません。仕事を続けながらの片道3時間の通学に不安はありましたが、電車の中は文献を集中して読む時間に変わりました。今はサポートをしてくれる周りの人や家族に感謝しながら、一日一日を大切にして学びを続けたいと思っています。