取材時期:2015年
先生は、どのような経緯から現在の研究テーマを設定されたのでしょうか。
私は、学部生時代以来、大学院までヘーゲル哲学を研究していました。
最初の大学に就職後、それを現代社会に生かす可能性とは何かということで、ドイツのユルゲン・ハーバーマスのコミュニケーション論やアクセル・ホネットの承認論に出会い、それ以降それを発展させる方向を模索しています。
先生は、これまで研究上の大きな困難にぶつかったことがおありでしょうか。
また、その場合どのようにしてそれを克服されましたか。
最初の大学に就職した後、ヘーゲル哲学をやってきたけれども、どういう方向にそれを応用できるのか、現代社会をどう捉えたらいいのか、という問題に出くわしました。
いろいろ迷って探し歩いて、結局、最初の学外研究でドイツのフランクフルト大学のホネット氏の所に行き、いろいろ研究して帰ってきました。現在は、さらにそういったフランクフルト学派の理論を日本の現状に合わせて発展させるにはどうしたらいいのか、という点で悪戦苦闘しています。
2年間の修士課程を終えて社会に出ていく院生に対して、大学院時代の成果をどのように実社会で生かしていくか、アドバイスをお願いします。
問題に出会ったとき、それを明確にして立て、資料を収集し分析し、その解決法を思考してテーゼ化し、文章にしたりプレゼンテーションで報告したりする、ということは、大学院の研究でも、実社会でも変わらないと思います。ですから、大学院で学んだことを生かして欲しいと思います。
将来研究職を目指す院生が早い段階から取り組んでおくべき課題があるとすれば、それは何でしょう。
これからの研究生活では、英語と、コンピュータを操作するテクニックは必ず必要なものでしょう。僕も今でも苦労してやっています(笑)。
また研究職は内にこもって単調な生活になりやすいので、何か自分の心身の調子を整える工夫が日頃から必要だと思います。坐り仕事が多いので、自分の生活に何かの運動習慣を取り入れるのはどうでしょうか。僕は、大学の体育館のジムに通っていますが、無料だしなかなかいいですよ(笑)。