朴 仁淑さん の VOICE

VOICE

取材時期:2016年

朴 仁淑さん 修了生

立命館大学大学院社会学研究科 応用社会学専攻
博士課程後期課程 2016年3月修了
現職
立命館大学非常勤講師
立命館大学衣笠総合研究機構客員協力研究員

院生時代には、目に見えるものだけでなく、「見えないものを見る力」を養ってきた

社会学研究科では、どのようなテーマを研究されましたか。

私の研究テーマは、「韓国の大都市に住む低所得高齢者の生活困難と生活不安―不安定就労と居住の不安定性の視点から」です。博士課程前期課程時の研究関心は、主に介護人材の養成と専門性にありましたが、後期課程で研究を進める中で「高齢者の生活」に対する問題意識が強くなりました。そこで、後期課程では、韓国における現低所得高齢者の生活歴と生活実態の把握を通じて、その背景にある不安定就労と居住不安定性の実状および両要素の関連性を明らかにしました。また、低所得高齢者が遭遇する生活困難と生活不安を明らかにしました。

研究を進めていく上でご苦労されたことはありましたか。また、それをどのように乗り越えていかれましたか。

研究は自分との闘いだと思います。自分が乗り越えないといけないものですが、周りの助けを求める必要もあると思います。私は、なかなか思い通りに研究が進まず、スランプの時も何回かありました。そのような時は、友達と好きなものを食べに行ったり、一人で映画を見たり、街をぶらぶらしたりして、気持ちを切り替えました。それでもしんどい時は、先生方、先輩、友人、家族に何らかのSOSを出して、助言を得たり、愚痴を言ったりすると、自然と研究の方にスイッチが入りました。

院生時代の研究が、今のお仕事にどのように活かされていますか。

院生時代には、目に見えるものだけでなく、「見えないものを見る力」を養ってきたと思います。社会学研究科で学ぶことで、物事の本質や問題の背景を深く考えるようになりました。今年4月からは、産業社会学部で授業を担当することになります。院生時代に身についた力を基に、これからは学生とともに学んでいきたいと思います。

いま社会学研究科で学び研究する院生たちに、なにかアドバイスがありましたらお願いします。

社会学研究科には、社会人の院生も多くいらっしゃいます。仕事と研究を並行することは、本当に大変なことだと思います。また、研究が思い通りに進まず壁にぶつかったり、研究を続けられる経済的基盤が崩れたり等様々な困難状況に置かれることもあります。そのような時は、一人で抱え込まず、声を出してみて下さい。解決の糸口が見つかると思いまず。