PAEK Sijinさん の VOICE

VOICE

取材時期:2016年

PAEK Sijinさん 修了生

DMDP(Dual Master's Degree Program)
修士課程共同学位プログラム
出身校 中央大学大学院 社会学科 修士課程

国際的な観点で日本軍「慰安婦」問題の枠組みを広げたい

立命館大学大学院社会学研究科との Dual Master’s Degree Program(DMDP)を受講されようと思われた理由はなんですか。

私は日本軍「慰安婦」解決運動を研究しています。日本、朝鮮半島、中国、台湾など、さまざまな場所の学者たちが日本軍「慰安婦」問題について研究しています。特に、日本では多くの研究成果があります。したがって、前から日本の研究者と交流する機会があればいいと思っていました。

2015年12月28日韓国政府と日本政府は日本軍「慰安婦」問題について両者間で合意しました。双方の政府は、被害者、市民社会の意見は受け入れず、財団を設立しようと決定しました。私はこのような政情の中で、日本の状況、運動を研究すべきだと思って、DMDPという良い機会を得て日本で勉強しています。

社会学研究科での講義、研究指導はいかがですか。

社会学研究科でさまざまな授業を聞けるので勉強を楽しんでしています。今学期は、サイドの『オリエンタリズム』を読みながら、研究者の政治性について議論して、朝鮮史を勉強しながら資料を通して 論証する方法を学びました。そして、メディアの授業には知識の作り方・性格について悩みました。英語プレゼンテーションは研究者の表現方法の重要性を学ぶ授業でした。また、特別研究で指導の先生とマルクス主義、ナショナリズムなどについて読みながら、私の知識・見方を広げました。そして、最近 授業で様々なシンポジウム・研究会に行って他の研究者と交流、議論をしています。

日本で勉強をするのは韓国より様々な立場について考えることができる機会です。これは、日本から韓国に留学に行く場合でも、同じであろうと思っています。私は今の勉強が後の研究に重要な経験になると思います。

修了後の進路や将来の夢をお聞かせください。

私は修了後、ここで勉強した国際的な観点で日本軍「慰安婦」問題の枠組みを広げたいです。それで戦後時代を生きている世代の「私たち」と戦前とのつながりをあらわにしたいです。それを実現するために勉強を続けていこうと思っています。

いま社会学研究科で学び研究する院生たちに、なにかアドバイスがありましたらお願いします。

エドワード・サイドは、「知識人とは何か」で知識が権力を持つことができるので、知識人の道徳性について悩むことを強調します。つまり、「自分の研究・知識がどのように一貫性があり、普遍的倫理と符合するか、権力と定義を適切に分別するかを考えなければならない」と説明しています。

それと繋がって最近私は「韓国人」で「日本」で勉強をしながら、「韓国と日本」という警戒・それの意味・警戒の作り方、そして研究者の責任などについて考えています。そのような悩みは討論がなかったらできなかったと思っています。
私は自分の研究を進めるため、そして研究者の政治性に悩む同僚と意見をかわすことが一番重要だと思っています。私も一緒に勉強している皆さんとジェンダー、人種、民族などの立場、位置、構造について話ししたり、討論したりしたいです。