HWANG Nariさん の VOICE

VOICE

取材時期:2016年

HWANG Nariさん 修了生

DMDP(Dual Master's Degree Program)
修士課程共同学位プログラム
出身校 中央大学大学院 社会学科 修士課程

多様な専攻が結合した「融合」研究や、様々な国家別の特徴を生かした「専攻別」研究会活動を提案したい

立命館大学大学院社会学研究科との Dual Master’s Degree Program(DMDP)を受講されようと思われた理由はなんですか。

私は韓国から来たファン・ナリと申します。 韓国の中央大学大学院で修士課程を勉強して、DMDP プログラムを通じ、ここで勉強しています。

私の研究テーマは、学校と労働移行(school to work transition)でのジェンダー不平等です。 特に STEM(科学 Science、技術 Technology、エンジニアリング Engineering、 数学 Math)を専攻した女性がどのような労働移行過程を経験しているかということと、その過程で経験するジェンダー差別を統計的方法で研究しています。 科学技術の分野におけるジェンダーの不平等は世界的な現象であるため、比較社会研究の観点からも意義のあるテーマですし、特に日本は科学技術の強国ですので、比較において重要な対象です。 DMDP プログラムは私にとって直接現場を見て研究できる良い機会です。

また、中央大学社会学科で Global Project(GP)の授業とInternational Postgraduate and Academic Conference(IPAC)学術大会などを通じ、立命館大学大学院社会学研究科との交流を経験しました。それらを通じて海外比較研究の重要性を大いに感じたために、DMDP プログラムを申請しました。

社会学研究科での講義、研究指導はいかがですか。

まず、社会学研究科には様々なテーマの授業があります。20以上の専門的な授業の中で自分の研究テーマと関連した授業を制限なく選択することができ、授業を通じて自分の研究に集中することができるというメリットがあります。多様な授業の種類があるということは、それほど多様な専攻の専門的な教授がいらっしゃるという意味でもあります。多くの授業を受けるほど多くの努力も必要ではありますが、多様な教育の機会が学生に提供されるという点で大きな特徴があると考えています。

社会学は総体的な学問で、幅広い思考のもとに社会を多層的に分析できなければならないと思います。その点で、多様な専攻の人たちが勉強することができる社会学研究科の学風は社会学研究者にとって成長することができる良い土壌になると思います。

特に、研究指導のゼミを通じて多くのことを学んでいます。教授と学生が一緒に討論して自分の研究を構成する雰囲気です。 指導教授が私の関心事や研究テーマを最もよく知っていらっしゃるので、研究上難しい点がある場合でも、いつも多くの助言を与えていただき、すごく力になりました。

修了後の進路や将来の夢をお聞かせください。

私は社会のジェンダー・不平等の現状に問題意識を持っており、これを解決するためには女性教育と女性労働市場での不平等の改善が重要だと思います。卒業後には、欧州、米国など世界的にSTEM分野の女性たちの労働移行経路を調査して、性別、職務分離、性別賃金差別、特定分野のジェンダー偏向性などを研究したいです。私は大学に来てフェミニズム(feminism)を初めて知り、この経験は私の人生に大きな変化をもたらしました。私は今までの経験を基に、卒業後は大学で学生らとともに研究し、講義などの教育活動にも尽力していきたいです。

いま社会学研究科で学び研究する院生たちに、なにかアドバイスがありましたらお願いします。

社会学研究科の特徴は多様な国家と多様な専攻の学生がいるという点です。したがって、多様な専攻が結合した「融合」研究や、様々な国家別の特徴を生かした「専攻別」研究会活動を提案したいです。

最後に一緒に勉強する大学院生たちに感謝の気持ちを伝えたいです。 いつも私を助けてくれてありがとうございます。 これからもよろしくお願い致します。