長澤 直子さん の VOICE

VOICE

取材時期:2025年

長澤 直子さん 修了生

応用社会学専攻
博士課程後期課程

初期日本語ワープロの入力インターフェイス変容と、
使い手の技能との関係性を研究

私は、初期の日本語ワープロにおける入力装置について、インターフェイス論の観点から研究を行いました。その際、使い手の技能に着目し、当時のワープロの入力装置が、「書く」という行為において使い手にとって快適な道具たり得たのかを検証しました。

現在、PCで標準的に用いられているQWERTY配列キーボードによるローマ字入力は、初心者にとって必ずしも扱いやすいものではありません。特に日本では、能率的かつ快適に操作するための技能であるタッチタイピングについて、その技能の内容自体が多くの人に十分に理解されていません。また、なぜローマ字入力が一般的な入力方式として定着したのかについても、あまり深く問われていないのが現状です。

博士論文の研究では、こうした疑問に応えるために、日本語ワープロ専用機において、キーボードによるかな漢字変換システムが初めて導入されて以降の約10年間にわたる、技術と技能の歴史をたどりました。

 

社会学研究科では、研究することの楽しさと同時に、その厳しさも学びました。特に私は、社会人院生として仕事をしながら研究生活を送っていたため、時間のやりくりには本当に苦労しました。思うように研究が進まない時期もありましたが、それでも何とかやり遂げることができたのは、指導教員の先生やゼミのメンバーからアドバイスをいただき、刺激を受けながら、楽しく充実した研究生活を送ることができたからだと思っています。