鈴木 大蔵さん の VOICE

VOICE

取材時期:2017年

鈴木 大蔵さん 修了生

応用社会学専攻
博士課程前期課程2回生

社会学研究科から見える教育

「社会科を勉強する必要ってあるの?」私自身が中学生の頃からずっと抱いていた疑問でした。その頃の私は、社会科と言えばテストのときに暗記するだけで、生きる上で全く役に立たない教科だと感じていました。産社へ入学して、その疑問は私だけのものではなく、現代でも多くの子どもが抱き、学ぶ意義を見出せていないということを知り、そのことを卒業研究のテーマとしました。研究を深めていくにつれ、子どもたちの学びの現状を変えたいと思うようになるとともに、自らにある中学生からの「疑問」に答えたいと思い大学院へ進学しました。現在は法教育に焦点を当て、子どもが学ぶ意義を感じながら「深い学び」を実現できる社会科授業とその評価の開発・実践に取り組んでいます。

社会学研究科の魅力は「自分と同じ専門領域の院生が少ない」ところにあると思っています。私の周りには、教育だけでなく、戦後史や軟式スポーツ、若者と車、伝統芸能、電子コミックなどバラエティに富んだ研究をしている院生が多く在籍しています。お互いの研究を知らないからこそ、「なぜ○○を研究しているの?」の質問から始まり、「なぜ?どうして?」の議論が絶えません。強いて言えば社会学研究科は「なぜ?どうして?を自他共にとことん追求する専門家の集まり」とも言えるのではないでしょうか。他者から問われ、改めて自分の研究の「根っこ」を問い直すことで、「こんな見方や考え方があったのか」と、お互いに刺激を受けあうことができます。 私自身、社会学研究科ならではの学ぶ魅力を感じながら研究に励むことで、自身の「疑問」にたいする答えが(いい意味で)揺らいでいく日々を送っています。